巡り巡ってまた巡る (ページ2)

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下校時刻

秋「徹！また明日ね！」

徹「うん！またね～！」

名前呼びになるスピードがF1でしかない

さすが人気者同士のコミュ力って感じがする。

私は徹と道が同じらしくて

徹のうしろをついて行っているような

ストーカーのような感じになっている。

気持ち悪がられたらどしよ。

徹「あの！」

あ「え！？」

突然ふり返った徹と目があった。

徹「家こっちなの？」

フワッと笑う徹に脈が早くなる。

自分だけのものにしたくなってしまう。

あ「うん、こっち。」

徹「じゃあ、一緒に帰らない？」

お人好しすぎるのでは？

イケメンということを自覚しなさい。

あ「わかった。」

徹「秋和がね！…」

さっきから稲野さんの話しかしない徹に

無性に腹がたって仕方がない。

徹「聞いてた？」

突然徹が顔を覗いてきて肩が揺れる。

あ「う、うん！」

徹「絶対聞いてなかった～！」

ぷくっと頬を膨らませ

怒ったような拗ねたような表情をし始めた。

あ「好きだなぁ。」

あ、やべ。

ぽろっと口から飛び出た言葉。

彼の耳には届いていたようで

目を見開き、こちらを見つめてきた。

徹「え、今…なん、て？」

あ「いや、なんでもない！」

恥ずかしくなり家まで走った。

早く熱が冷めますように。

早く家までつきますように。

このことを忘れてくれますように。