４８．２回目の ページ48
夏休み最終日。
私たちの２回目の逢瀬の始まりは、あの展望台だった。
昼神としては、もう一度デートをしてからここに来たかったんだろうけど、私のわがままで変えてもらった。
思えば、気持ちを自覚したのは夏休み中盤。
なんでここまで律儀に待ってたのかは自分でもよく分からない。
でも、それも今日で終わり。
「Aちゃん、ごめん。待った？」
「ううん。時間通り。」
昼神がやってくる。
今日の私服もとてもかっこいい。
そんな昼神に惚れ惚れしていると、昼神は突如真剣な顔になった。
これから何を言われるか、もうわかっている。
それにどう答えるべきかも、もうわかっている。
自分の気持ちも、もう揺らがない。
「Aちゃん。」
「………うん。」
「Aちゃんが好きです。」
心臓が締め付けられる。
嬉しいのか恥ずかしいのか、どんな感情の働きが脳に伝わってこんな痛みを発しているのかは分からない。
けれどそんなのは関係ない。
ずっとずっと前から、私の答えは決まっている。
「昼神。わたし、カフェオレ克服したよ。」
「………え？」
「カフェオレは私にとって、もう嫌いなものじゃない。」
優しそうな外見をしておいて
口にしてみたら思いの外苦くて
関わってみたらはちゃめちゃに性格悪くて
その時から「嫌」が強くへばりついて
その時からやけに嫌いになって
絶対に克服したいけど、絶対に近付きたくない。
そしていつの間にか、好きになっていた人。
「だからもし、これから私が昼神のことをうっかり“カフェオレ野郎”って言っても、怒らないでね。」
「……………怒らないよ。好きなものと一緒にされて、怒る人なんていないし。」
「なら、もう答えは決まってる。」
私は、昼神の手を取った。
大きな大きな手を、両手で包んでぎゅっと握る。
思えば、私から昼神に触れたことあったっけ。
ずっと昼神にばっかりこういうことさせてしまっていた気がする。
でも、これからは私だって返していきたい。
昼神が私にくれるもの、同じ量を返すことは出来ないけれど
同じものを返すことはできるから。
「昼神が好き。」
たった五文字の告白。
けれどその意味以上の意味が込められたそれを昼神は嬉しそうに聞き届けてくれて、そのまま私を抱きしめた。
その大きな背に、私も手を添える。
「っはは……これでやっと彼氏面できる……」
「……それだと今までとそう変わんないじゃん。」
「たしかに。」
それから私たちはどこへ出かけることも無く、ずっと寄り添っていた。
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早苗くん - 36話めっちゃすきです。｢海を渡る鴎に相応しい、海の男の音が響き渡る。｣のところカッコよすぎです。 (6月10日 12時) (
レス) @page36 id: 5215e79380 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - あぽ様です。さん» ですよね！わかってるんですよ｢現実的じゃないなぁ｣｢ちょっとキャラ崩壊かなぁ｣とは！しかし！私の解釈で書いてまいりますので！応援してくださる方はそのままで、ダメな方はゆっくり回れ右をして頂く！これが葵坂流でございます！コメントありがとうございました！ (5月3日 7時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - ぺpopo。さん» ありがとうございます！！え、後味スッキリでした？！そう思っていただけたなら作者冥利に着きます！！夢主の性格は、作者どうしてもThe.女の子っていう子が書けない中でどうやって恋愛小説っぽい子を書くか思案した結果あぁなりました！これからもよろしく願いします！ (5月3日 7時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - FLOWERさん» たくさんのコメントありがとうございまする！やはりあそこですか！！作者も結構頑張ってキュンを追求したのですけど、やっぱり展開が早すぎたかなぁと反省しておりました。そんなところにFLOWER様のコメントを頂きまして、大変心がほっとしております！次も乞うご期待！ (5月3日 7時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
あぽ様です。 - 告白現場に居合わせる、ひどい振り方とか夢あるあるだね (5月3日 0時) (レス) @page3 id: a540b2ed94 (このIDを非表示/違反報告)
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