30.親友 ページ30
「お、Aじゃん。なんだよ、来て早々いちゃついてんじゃねー」
「イチャついてなんか」
「イチャついてないよ。口説いてるの。」
「は?!」
「おうおう、やってろやってろ。」
昼神の嬉しそうな顔に私も毒気を抜かれていると、後ろからひょっこりと星海が現れた。
咄嗟に私は繋がれた手を離そうとするが、昼神の馬鹿力によって離してもらうことはできなかった。
それが露骨すぎて星海にバレるが、それでも離してくれなかった。
恥ずかしいし居た堪れないからほんとやめて欲しい。
「にしてもA、お前早く来すぎだろ。俺ら第八なの知ってたんじゃねぇの。」
「……まぁ、知ってたんだけど、割と楽しみで早めに来てしまったというか……えっと。」
「なんだそれ、Aにもそういうことあるんだな。
でもどうすんだよ。今んとこかなり早く進んでるから予定時間よりも早く始まるだろうけど、ずっとここにいるのは暇だろ。」
「うん。だからちょっと外出て、観光がてら買い物しようかなとは思ってる。」
「え、Aちゃん。俺と一緒にいてくれないの?」
「え」
「バカ。お前はこの後昼食ってアップだろーが。
お前は普段正論でズバズバ言うくせに、なんでA絡むと幼児みたいな駄々の捏ね方するんだよ。」
「わかってるよ、言ってみただけ。光来くんいちいち反応しないでよ。羨ましいの?」
「んなわけあるか!!!」
昼神が揶揄って、星海が声を荒らげる。
私がこの2人の会話をしっかり聞いたのはこれが初めてで、噂通りの仲の良さだ。
星海曰く、昼神は仲の良い人か、それともどうでもいい人には遠慮ない物言いをするらしいから、その前提で行くと私も星海も仲のいい人判定なのだろうか。
だったら嬉しいな、なんて。
「2人とも、仲良いね。」
「は??Aお前本気か。」
「え?俺は割と光来くんのこと尊敬してるけど?」
「はぁ?!?!」
「星海大丈夫?」
あまりにも信じられないみたいな顔で驚くものだから心配になる。
私の中では、2人は親友ポジだと思ってたけど。
「え、違うの?マブダチなんじゃないの?」
「俺はマブダチはAだと思ってる。」
「は?」
「え、嬉しい。」
「ちょっと光来くんウラ行こうか。」
「ヤダね。友情と愛情の区別くらいつけろよカフェオレ野郎。」
「あ、地雷踏んだ。光来くんなんて縮んじゃえ」
「おうテメェオモテ出ろ」
でもまぁ、充分息はあってるよね
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早苗くん - 36話めっちゃすきです。「海を渡る鴎に相応しい、海の男の音が響き渡る。」のところカッコよすぎです。 (6月10日 12時) (レス) @page36 id: 5215e79380 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - あぽ様です。さん» ですよね!わかってるんですよ「現実的じゃないなぁ」「ちょっとキャラ崩壊かなぁ」とは!しかし!私の解釈で書いてまいりますので!応援してくださる方はそのままで、ダメな方はゆっくり回れ右をして頂く!これが葵坂流でございます!コメントありがとうございました! (5月3日 7時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - ぺpopo。さん» ありがとうございます!!え、後味スッキリでした?!そう思っていただけたなら作者冥利に着きます!!夢主の性格は、作者どうしてもThe.女の子っていう子が書けない中でどうやって恋愛小説っぽい子を書くか思案した結果あぁなりました!これからもよろしく願いします! (5月3日 7時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - FLOWERさん» たくさんのコメントありがとうございまする!やはりあそこですか!!作者も結構頑張ってキュンを追求したのですけど、やっぱり展開が早すぎたかなぁと反省しておりました。そんなところにFLOWER様のコメントを頂きまして、大変心がほっとしております!次も乞うご期待! (5月3日 7時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
あぽ様です。 - 告白現場に居合わせる、ひどい振り方とか夢あるあるだね (5月3日 0時) (レス) @page3 id: a540b2ed94 (このIDを非表示/違反報告)
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