【文スト】噂の最強異能力者は華麗にヨコハマを闊歩する２

凱旋 ページ15

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『………ふむ、成程。騎士の聖句にも心を傾けぬか。まぁ、予想通りではあるが』



日本、ヨコハマ____伯爵邸にて、太陽の騎士が北米より帰還した
応接間の立派な肘掛け椅子に座り、傍らに執事を控えさせながら、目の前に跪いて報告をする騎士に目線を注ぎ、全てを聴き終わったあとに上記を告げる。



『御苦労だったガウェイン。対して疲れてはいないだろうが、今日は我が屋敷の客間で過ごすが良い。
そして後日、改めて貴卿に部屋を与えよう』
「有り難き幸せ」


今回の功を労い、騎士には伯爵邸の一室を与えられ、再び伯爵の元に戻る事が許された。
ガウェインやベディヴィエールといった、伯爵に仕える13人の異能力者は、現在はわけあって世界中に散らばり、伯爵の後釜となった教え子の働きを見守る役目を仰せつかっている。ガウェインは北米の管轄だったが、最早『組合』を監視し抑制する理由など皆無となり、再び伯爵の元に集う事が許されたと言うわけである。



「………恐れながら伯爵(アール)。最早、あの組織が北米の頂点たる理由はありません。生かす意味が無いのなら、即刻焼き払うべきです」
「控えなさい近衛騎士(ガウェイン)。高潔なる騎士たる伯爵(アール)に滅びを愚申するなど」
『構わないよ執事(ベディヴィエール)。ガウェインの言うことは一理ある。

だがガウェインよ、まだ時は満ちていない。私に手を出した時点で組織の根幹たる中枢は無能も当然。けれど、彼らは私の他にももっと厄介なものを敵に回しつつあるのだよ。私に手を下される前に、それらに壊された方が、組合も堪えるというものだ。そうは思わないか？』
「………つまり、今回は伯爵(アール)自らが制裁されることは無い、と」
『裏から手を回して全面的にバックアップするだけだ。
私は、ほら、一応表向きは引退したことになっているからね本当はそのつもりでヨコハマに来たのだけど……』
「………心中お察し致します。

ガウェイン、委細承知致しました。全ては、我らが伯爵(アール)の御心のままに。愚かなる我が愚申をお許しください」
『うむ、全て許そう、私の近衛騎士。これからもよく仕えるように』
「はっ」



騎士は改めて頭を下げると、跪いていた姿勢を戻し、居住まいを正して退室の礼をとる



『あぁ、そうだガウェイン。明日、私の出勤に付き合いなさい。服装は軍服(それ)だと目立つから、ベディヴィエールに見立てて貰ってね』
「………？はい。承知致しました」

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