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優しすぎるヒロイン ページ30

⭐︎



「別にそんな感謝されるようなことでも無いですよ。その…萩原さん?って人に助けられたのは私も一緒ですし」

「!」


苦笑しながら思ったことを言えば、松田さんは少し息を呑んで目を見開いた。

そして、少し目を逸らして頰を掻く。


「あー、それでも、オレはアンタに感謝してるんだよ。だからいつか礼を言いたかったんだ。ハギ…… 萩原も、アンタに会いてぇっつってるし…」

「そ、そうですか…」

「だからよ、」


連絡先教えてくんねぇ?と彼は言ってポケットからスマホを取り出した。
うーんなんて滑らかな連絡先交換……逆に驚きだわ。

でもまぁ、それぐらいなら…。
私もスマホを取り出した所で、後ろから建人の声が掛かった。


「A?何をしているんですか」

「あ、建人。……なんて説明すれば良いのか分からないけど、私が救った相手が私と会いたいらしくて…」

「…は?」


私の曖昧な言葉を聞いた建人は不可解だという思いを前面に押し出した渋顔をして、戸惑った声を出した。

そりゃそうだ。私だって今の説明は無いなーって思うもん。

はぁ、と一度深いため息を吐いた建人がさりげなく私のトレーを奪い、ぎろりと厳しい眼差しをした。


「ちゃんと説明して下さい。Aが誰と会うのかは勝手ですが、救った相手、などという曖昧な人に会うのは些か危険では?」

「う……ハイ、それは最もです」

「分かれば良いんですよ。では行きましょうか」

「え、あ、うん??」


そのまま流れでテーブルまで向かわされそうになったが、建人の登場をポカンとしたまま見ていた松田さんが少し苛立ったような顔でそれを止めた。


「……っオイオイ、アンタいきなり入ってきて何なんだ?オレは今この人と話してんだけど」

「はあ、そうですか。ですが私も“大切な”同期を見知らぬ人と会わせるわけにもいきませんので」

「っ大切、な……!?」

「ええ、そうですが何か?」


煽りよる。この七海建人、煽りよる……!

ビキリ、と額に青筋を浮かべた松田さんが、剣呑な眼差しで建人を睨みつける。
対して建人は無表情。いつものポーカーフェイスで眼鏡をくいっと上げ、松田さんをジッと見定めるように見つめている。


……いや、純粋に何で……??


いやまあ、“普通”ならそんな相手に会うのは絶対に危険だ。

でも私呪術師だよ?呪力で身体能力を強化して、体術も会得している身からすると、建人ってばちょっと警戒しすぎじゃ無いかなーと……。


⭐︎

悪いな健人→←やだサングラスイケメン…



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リュウイ - 続編も見ました!!面白かったです!また続き待ってます! (2月8日 15時) (レス) @page50 id: 2148135a94 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - (Rin)さん» ありがとうございます!いつも見ていると言ってくださり嬉しいです☺️これからもよろしくお願いします! (1月5日 23時) (レス) id: df78d63940 (このIDを非表示/違反報告)
(Rin)(プロフ) - いつも見てます!応援してます!! (1月5日 22時) (レス) id: a9de1c3c9c (このIDを非表示/違反報告)
みるく - ゆゆさん» 本当にありがとうございます〜〜〜!!😭まだ分かっていなかったので嬉しいです!これからもどうぞ読んでくださいね🙇 (12月24日 9時) (レス) id: df78d63940 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです!! 続編の行き方なんですがまだ分からなければなのですがお話を追加の所が50話になると自動で続編へ移行に変わりますよ!続編でも頑張ってくださいね! (12月23日 18時) (レス) @page49 id: 2307c0fefd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みずき | 作成日時:2022年5月22日 17時

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