第五十六話『隼』破沼真賀流side ページ6
「固てぇなちくしょう...!」
「効いてるのこれ...?」
「知るか...つか俺に聞くな...」
先程からカマキリに攻撃を繰り返しているが、いっこうに効いている感じが全くしない。
目や腹など特に柔らかそうな所を重点的に狙ってみたが、他の箇所より柔らかいだけであって鬼のように固い。
「...普通目を殴っただけで金属がぶつかった時みたいな音でないよな?」
当のカマキリはと言うと図体が大きい割りにその動きはカンフーのようだった。
鎌による打撃や切断攻撃は勿論、羽根についている巨大な爪を使っての叩き潰し、滑空からの切断や蹴り、火属性ブレスに目から雷属性のレーザーまで出す始末だ。
棗は先程から足を攻撃しているが、刀でも爆発でも怯む所か傷一つ付かない。
ブレスやレーザーは真賀流が吸収しているが、いつまでもつか分からない。
どうするか考えて時、すぐ横を鎌が掠めていった。
衝撃で体が吹っ飛び、そのまま堕落者の亡骸の山に突っ込んだ。
「いってぇ、くそが!」
目の前にカマキリがよく分からない声をあげながら迫ってきた。
「(ヤバイ、死ぬかも...)」
そう考えたその時...
ー力が欲しいか?ー
何処かで聞いたような声が聞こえた。
力をもらった時に聞いた石川五右衛門の声だ。
ー力が欲しけりゃ自分で盗め。そうだな...成るべく魔力の集まっているものが良いー
魔力の集まっているもの?
大急ぎで辺りを見回す。
そして、発見した。
魔力が集まっているもの、これしかなかった。
「...これ吸収できるのかよ?」
真賀流が吸収しようとしたものは、堕落者の亡骸だった。
適当にそこらの亡骸をつかみ、能力を発動させる。
次第に堕落者の体が黒い煙になっていき、真賀流の体に吸収されていく。
そして堕落者の体が完全に消えた時、真賀流の体は大きく変化していた。
髪、歯、皮膚、服に至るまで体の全てが真っ黒く変色し、唯一目と思われる赤い球体が動く度に赤い残光をひいていた。
『...行くぞぉ!』
そこからは早かった。
目で追えない程の早さで移動し、カマキリの右羽根を力任せに引きちぎり、目を潰し、左鎌を噛みちぎる。
カマキリも負けじと残った鎌をむちゃくちゃに振り回すが、全てかわされた。
すると突然真賀流は攻撃を中断し、棗の元へ移動した。
『借りるぞ...』
そして棗の手に持っていた刀を奪って持っていった。
『...調度良い。これなら...殺しきれる』
直後、降り下ろされた刀がカマキリの体を真っ二つに割った。
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ジグ(プロフ) - 終わりました (2017年3月18日 17時) (レス) id: 551194a6cd (このIDを非表示/違反報告)
ジグ(プロフ) - 更新します (2017年3月18日 16時) (レス) id: 551194a6cd (このIDを非表示/違反報告)
北斗七星(プロフ) - 終わりです (2017年3月18日 16時) (レス) id: 9ad4b46b38 (このIDを非表示/違反報告)
北斗七星(プロフ) - 更新いきます (2017年3月18日 16時) (レス) id: 9ad4b46b38 (このIDを非表示/違反報告)
鯉城@メイドラのエルマ赤穂浪士で死亡(プロフ) - 終わりましたー、次の方どうぞ! 本当だ、順位上がってますね笑 (2017年3月18日 16時) (レス) id: 38080604d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海月 x他8人 | 作者ホームページ:( ˇωˇ )
作成日時:2017年2月3日 22時