第六十八話『隼』破沼真賀流side ページ18
それは魚を捕まえて拠点に戻ろうとしていたときだった。
突如空間がねじれたような嫌な感覚に襲われて、気がついたら体は宙を舞っていて、そのまま下にあった海のなかに落下して、巨大な鮫型の堕落者に襲われて、仕方なく戦っていたらまた空間がねじれたような感覚に襲われて、今はどこかわからない砂漠に飛ばされてきた。
「…どこだよたっくよぉ…」
そう言えばとルールに書いてあったことを思い出した。
この世界は割りと不安定らしく、極稀に空間がねじれる事があるらしい。
多分それに巻き込まれて吹っ飛ばされたのだろう。
夜だが月が出ているお陰で真っ暗ではない。
「しかし、堕落者にも色々な種類がいるんだなぁ…」
どうやら出現する場所も違うらしい。
例えば、拠点がある森のなかにはカマキリや猪や人型などの堕落者が存在しているが、先程の海の中には鮫やピラニアなどの堕落者が存在していた。
「まあ、どうでもいいか…さてと、どうやって帰るかな…」
問題はそこだった。砂漠のど真ん中で突っ立っていたせいで、回りをすでにさそり型の堕落者が取り囲んでいる。
「…まずはこいつらをなんとかしーー」
言い切る前に後ろから何かが高速で接近してくる音が聞こえてきた。
とっさに身を屈めると、頭上を何かがものすごい勢いで通りすぎ、前にいたさそりをつかんで飛んでいった。
辺りに砂埃が立ち込め、ガリガリバリバリと何かを咀嚼する音と共に、頭上からさそりの足や内蔵が降ってきた。
それは…巨大な蜻蛉(とんぼ)だった。
透明な四枚の羽で飛行しながら、六本の頑丈な足でさそりをとらえ、殻をかみ砕きながら身を食べていた。
そして蜻蛉はさそりを食べ終わると、まだ足りないと言うような感じでこちらを見てきた。
その瞬間、俺は超高速でその場を後にした。
「無理無理無理無理…!!!」
実はこう見えて俺は蜻蛉が大がつくほど嫌いだ。
理由は気持ち悪いからだ。
羽から体から尻尾から羽音から何から何まですべて嫌いだ。
しかし…
「えぇ!?おまっ!?早くね!?」
なんと蜻蛉はこの超高速についてきているのだ。
キモいから早くどっか行け!
そんなことを考えていて前を見てなかった。
俺は前にいた誰かと正面衝突し、その頭上を蜻蛉が通りすぎて、綺麗に反転してこっちに向き直った。
ぶつかった相手を見る。
怪我はしていないらしい。
「お前は…昼間の…」
衝突した相手は、昼にあった光刹那だった。
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ジグ(プロフ) - 終わりました (2017年3月18日 17時) (レス) id: 551194a6cd (このIDを非表示/違反報告)
ジグ(プロフ) - 更新します (2017年3月18日 16時) (レス) id: 551194a6cd (このIDを非表示/違反報告)
北斗七星(プロフ) - 終わりです (2017年3月18日 16時) (レス) id: 9ad4b46b38 (このIDを非表示/違反報告)
北斗七星(プロフ) - 更新いきます (2017年3月18日 16時) (レス) id: 9ad4b46b38 (このIDを非表示/違反報告)
鯉城@メイドラのエルマ赤穂浪士で死亡(プロフ) - 終わりましたー、次の方どうぞ! 本当だ、順位上がってますね笑 (2017年3月18日 16時) (レス) id: 38080604d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海月 x他8人 | 作者ホームページ:( ˇωˇ )
作成日時:2017年2月3日 22時