怯え ページ48
「いつしか本当の自分を失って偽りの事ばっかりするようになったの。」
慌てて1年生の頃はちゃんと楽しかったよ、と付け足すけど潔子は辛そうにしたままだ。
「部活に入ったばっかの時、先輩とか同級生に迷惑かけまくってたこと覚えてる？」
潔子に聞けば静かに首を縦に張って反応してくれた。
潔子「でも、迷惑だなんて私、思ったこと一回もないっ」
その潔子の言葉に驚いた。
考えもしなかった。迷惑をかけてるってずっと思ってたから、
潔子がそんなふうに思ってたなんて知らなかった。
潔子「…今頃遅いよねっ、もっと早く言ってれば良かった。」
ごめん、ごめんね、と何度も言いながら潔子は謝る。
潔子にそんな顔をさせたいわけじゃない。
謝らせたいわけじゃない。
「潔子は悪くない。何も言わなかった私がいけない。本当の気持ちを言うのが恐ろしくて、みんなにこれ以上迷惑かけちゃダメだって勝手に思ってた。」
潔子の頭を撫でて目を見て話す。
久しぶりに潔子に向き合って話すことができたかもしれない。
「本当の私を出すのが怖かった。嫌われてしまうんじゃないかって思って怯えてた。」
こんなにも潔子の目は美しかっただろうか。
宝石のように輝く瞳にたくさんの雫が溢れる。
永遠に見ていられる美しさ。
「だから本当の自分の気持ちを失くして、空気を読む言葉を使ってきた。
縁下達が部活に来なくなって戻ってきた時、帰ってくるのが遅い、って言いたかった。でも、そんこと言ったら嫌われてしまうかもしれないって思った。」
嫌いになるわけないじゃない、と泣きながら言う潔子に苦しくなった。
「そんな中インターハイが始まったけど、勿論自分の本当の気持ちで応援することなんてできなかった。皆次は必ずっ、て言ってたけど私は、そんな気にならなかったし、喪失感を覚えた。」
「先輩が引退して私たちが主体になって、役職が決まって少しだった時、黒川先輩に偶然会った。そしたら自分の気持ちを言えよ、って言われてとても驚いた。」
気づいてあげられなくてごめん、黒川さんは気づいてたんだねっ、と潔子は言ってくれる。
本当に潔子は優しい。
こんなことを言っても気づいてあげられなくてごめん、って言ってくれるなんて。少なくとも私はそんなこと言うことはできないと思う。
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さくみ(プロフ) - おかかのおにぎりさん» とても嬉しいお言葉ありがとうございます！春頃の県民大会なんですね！ご指摘ありがとうございます！直してきます。本当にありがとうございます！ (2020年3月13日 3時) (
レス) id: 8ec2e6d345 (このIDを非表示/違反報告)
おかかのおにぎり(プロフ) - さくみさんいつも楽しみに見させてもらってます！！潔子さん好きの私にはサイコーです！！一応補足させて頂きますが、東峰さんが伊達工に捕まりまくったのは、春頃の県民大会であって、春高とは恐らく別物かな、と。上からに思えたらすみません！続編も応援してます！ (2020年3月12日 8時) (レス) id: 64b2331bfd (このIDを非表示/違反報告)
さくみ(プロフ) - みおさん» ありがとうございます！潔子さんの話あまりないですよね、私もそう思います！！更新頑張りますね！ (2020年2月20日 6時) (レス) id: 7862236ae4 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 清子さんの話ってあんまりなくて見つけてすごい嬉しかったです！！これからどうなっていくのか楽しみです！更新頑張ってください〜待ってます！ (2020年2月20日 0時) (レス) id: 68de5461dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくみ | 作成日時：2020年2月16日 8時
