清水潔子にぶたれた

良い　〜西谷〜 ページ38

そうか、こいつら1年は旭さんのこと知らねえのか。

西谷「…烏野の…エースだ一応(・・)な」
日向「エース…！」

旭さんはエースだと言えば、日向は目を輝かせた。
その後すぐに目を点にしてボールを持ったまま床を見つめた。

西谷「？なんだよ」

不思議に思い日向に聞いた。

日向「…おれ
エースになりたいんです…！」

なんだこいつ、この身体でエースになりたいなんてよ

西谷「あ？」
影山「あいつまだあんな事…！」

後ろからセッター1年の影山の声が聞こえた。

日向「何年か前の”春高”で烏野のエースの”小さな巨人”見てから、絶対ああいう風になるって思って烏野来ました！」

今小さな巨人を見ているかのように目を輝かせて希望を胸に抱いて言う日向に驚いた。

西谷「その身長でエース？」

日向の方を見て言えば口をギュッと結んで俺の方を見る。


…この光景、俺は知ってる。
中学ん時、俺がバレー部入った時先輩にお前はリベロだろ？、とかこの身長でバレー？、って笑われて、決めつけられてめちゃめちゃ悔しかった時があった。
その時やっぱ小っちぇえから決めつけられたんだ、とか思った。

悔しくて一回体育館の外に出て、中庭へ行き誰もいないことを確認して”あぁぁぁ！！！！なんでだよ！俺が身長小っちぇえからかよ！”、て叫んだ。
その時丁度下駄箱から出てきた先輩と目があった。
拳を握り、口をギュッと結んでいる俺に対してその先輩は
”いいね君！その身長でバレーなんてかっこいいよ！いいねいいね！どのポジションでもやりなよ！”
と俺の肩をバシバシと笑顔で叩いた。

それがA先輩と出逢った日だった。


…だから、だから俺も、こんな小っちぇえ身長してカッコいいこという奴に言ってやりてえんだ、


西谷「いいなお前！
だよな！カッコイイからやりてえんだよな！いいぞいいぞなれなれエースなれ！」

びっくりする日向を、A先輩の様に俺も笑顔で肩を叩いて言った。

A先輩、俺今でも先輩に言われたことちゃんと覚えてますよ。
そして、あん時の俺と同じ状況のやつを励ますこともできましたよ！

西谷「今のエースより断然頼もしいじゃねーか！
けどやっぱ”憧れ”と言えばエースかあ」

俺が目をつぶって言えば日向はエースカッコイイデス！、と元気よく返事をする。

西谷「”エース”って響きがもうカッコイイもんなちくしょう」

やっぱ”エース”ってのはカッコイイし、憧れるもんだよな。

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