今頃 ページ29
「っ！」
スマホのアラーム音で我に返った。
急いでアラームを止めて周りを見ると、さっきまで見えていた夕焼けが沈み、暗闇が私を包んでいた。
テーブルの上に置いてあるリモコンで電気をつけ、カーテンを閉める。
今まで暗くてわからなかったが、驚くほど冷や汗をかいていた。
あの時の夢を見た後だったせいか、昔の記憶をいつの間にかたどっていた。
「っはっ…」
喉が渇きすぎて声がうまく出せない状況になっていた。
急いでコップにお茶を注ぎ口に含んだ。
ゴクッと喉越しを鳴らしてお茶を一気に飲み干す。
でも一杯だけでは足りず、もう一杯注いでまた一気に飲み干した。
「何も言えなかったのは、偽りの思いばっかり言ってたから。
何もできなかったのは、皆のことを信頼しようとしていなかった。
そして、仲間とすらも思ってなかったから。」
こんな最低な自分に嫌気がさしながら、力無く床に崩れ込んだ。
「いつも皆と1枚の壁を感じてたのは、本当の自分を見失っていたから。」
床に崩れ込んだまま言葉を１つ１つ呟いた。
「私は、本当の自分を失った」
テーブルについていた手が離れ、床に勢いよく落ちた。
あぁ、気付きたくなかった。
できることなら一生気づきたくなかった。
あの頃は、不良でいた時の自信がどんどん無くなっていって、自分のしていることが正しいのかわからくなっていた。
誰がどうやって私をこんな風にさせたかなんてわからない。
もしかしたら私自身がこんな風にさせたのかもしれない。
前小夜に、”部活に入ってからいい子になった感ある〜”って言われたことがあった。
でもしばらくしてから”最近なんか変だよ、Aと話してるはずなのに、違う人と話してるみたい”って言われたのだ。
小夜には、不良の頃のままの考えで話せてると思っていたのに、いつの間にかそうじゃなくなっていたみたいだった。
そしてこの前、丸くなったねと言われたことがあった。
私的には、丸くなったんじゃなくて、落ち着いたって思っていた。
でも実際はその逆だった。
「気づくなら、もっと早く気づいていたかった。」
そしたら何か今と変わってたのかな。
絶対に変わっていたはずだ。
でも、何もかも遅い。
昔の出来事を変えることができるのならいいけど、変えることなんて出来るわけがない。
今頃気づいたってもう遅い。
「もう手遅れだよ、。」
今なんで涙が出るのかなんてわからない。
どうして泣いているのかなんてわからない。
私は、涙を流しながしたまま拳を強く握った。
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さくみ(プロフ) - おかかのおにぎりさん» とても嬉しいお言葉ありがとうございます！春頃の県民大会なんですね！ご指摘ありがとうございます！直してきます。本当にありがとうございます！ (2020年3月13日 3時) (
レス) id: 8ec2e6d345 (このIDを非表示/違反報告)
おかかのおにぎり(プロフ) - さくみさんいつも楽しみに見させてもらってます！！潔子さん好きの私にはサイコーです！！一応補足させて頂きますが、東峰さんが伊達工に捕まりまくったのは、春頃の県民大会であって、春高とは恐らく別物かな、と。上からに思えたらすみません！続編も応援してます！ (2020年3月12日 8時) (レス) id: 64b2331bfd (このIDを非表示/違反報告)
さくみ(プロフ) - みおさん» ありがとうございます！潔子さんの話あまりないですよね、私もそう思います！！更新頑張りますね！ (2020年2月20日 6時) (レス) id: 7862236ae4 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 清子さんの話ってあんまりなくて見つけてすごい嬉しかったです！！これからどうなっていくのか楽しみです！更新頑張ってください〜待ってます！ (2020年2月20日 0時) (レス) id: 68de5461dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくみ | 作成日時：2020年2月16日 8時
