臆病 ページ20
あの時の自分の失態が許されないとしても、謝らないといけないと薄々思っていた。でも今頃そんな事言えないなどの理由をつけて、胸の奥底にずっとその気持ちを隠していた。
そんな時。部活に入ってから丸くなったと言われることが増えた。
そんなこと言う奴に心底ムカついたけど、特に言い返すことはせずに、自分の胸の中にその気持ちを押し込んだ。
ある日先輩に”たまには自分を振り返ってみるのもいいんじゃないか？”って言われたことがあった。
でも自分の本当の気持ちに気づかないように、笑って受け流した。
先輩がくれた考えるチャンスを自ら無駄にした。
それからはあっという間に時は過ぎ、先輩が卒業して私は高校2年生になった。
どの部活も新入生の勧誘に張り切っていた。
マネージャーは私と潔子の2年2人がいたので、特にマネージャーの勧誘はしないでいつも通りドリンク作りなどの仕事をしていた。
しばらくすると、新しく主将になった3年の先輩に”新入部員に挨拶をするからマネも来て”と言われ、急いでマネ業を終わらせ第ニ体育館へ潔子と走った。
脚を揃えて中に入ると見覚えのある顔がそこにいた。
「っなんで、」
思わず足が動かなくなり、自分の時だけが止まったみたいだった。
潔子「A？早く、みんな待ってる」
突然止まった私を不思議に思った潔子が、私の腕を引っ張り皆のところへ進んで行く。
主将「よし！みんな揃ったな！」
新主将の元気な声が体育館に響き、軽く自己紹介が始まった。
私も軽く自己紹介をしたが、話した内容なんか全く覚えていない。新入部員の名前すら入ってこなくて、目の前の光景に頭がいっぱいいっぱいだった。
今の光景から逃れたくて必死に現実逃避をしていると、目の前に影ができた。
咄嗟に目の前を見ると
？「俺、A先輩に会いに来ました」
中学2年生の時よりだいぶ声が低くなり、前髪だけが綺麗に金髪に染まっている”西谷夕”がいた。
「っ…」
中学の頃、ノヤにしてしまったことを謝るのが正しいとわかっていた。
でも真っ直ぐな瞳に見つめられ、心臓をギュッと掴まれたような感覚に襲われた。
情けないことに何も言うことができなかった。
西谷「A先輩、俺諦めないですからっ！！！」
周りの部員全員が、私たちを見ているのなんてわかってる、
潔子の驚く顔が見えるのもわかってる、
「ごめんっ…」
逃げるように第二体育館を出た。
ノヤの真っ直ぐな気持ちが今の私には怖かった。
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さくみ(プロフ) - おかかのおにぎりさん» とても嬉しいお言葉ありがとうございます！春頃の県民大会なんですね！ご指摘ありがとうございます！直してきます。本当にありがとうございます！ (2020年3月13日 3時) (
レス) id: 8ec2e6d345 (このIDを非表示/違反報告)
おかかのおにぎり(プロフ) - さくみさんいつも楽しみに見させてもらってます！！潔子さん好きの私にはサイコーです！！一応補足させて頂きますが、東峰さんが伊達工に捕まりまくったのは、春頃の県民大会であって、春高とは恐らく別物かな、と。上からに思えたらすみません！続編も応援してます！ (2020年3月12日 8時) (レス) id: 64b2331bfd (このIDを非表示/違反報告)
さくみ(プロフ) - みおさん» ありがとうございます！潔子さんの話あまりないですよね、私もそう思います！！更新頑張りますね！ (2020年2月20日 6時) (レス) id: 7862236ae4 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 清子さんの話ってあんまりなくて見つけてすごい嬉しかったです！！これからどうなっていくのか楽しみです！更新頑張ってください〜待ってます！ (2020年2月20日 0時) (レス) id: 68de5461dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくみ | 作成日時：2020年2月16日 8時
