【名探偵コナン】警察学校を卒業しても同期の兄ちゃんたちに甘やかされて困ってる【男主】

困り事63つ目 ページ16

証拠集めに勤しみ早半年。事故から2ヶ月後に結も無事復職して交番で元気に働いている。

そして今日、逮捕に値する証拠を結の親友である高木くんの手柄により手に入れることに成功した。家族であるが故に免除される刑もあり苦労したが、穴を探して、探して、最近やけに殺人事件が発生して多忙な中で、度々4人で集まっては協議をした。

漸く手に入った決定的な証拠に俺たちは沸いた。本当に手強い両親だった。証拠探しの為接触もしたがやはり俺たちと和やかに会話する姿は可愛い可愛い弟分が話した口にするのもおぞましい虐待をしているとは思えなかったのだから恐ろしい。

取り揃えた家族故に罪にはならないだろうものなど結が実家から持ってきた数々の証拠と改めて行った結からの調書を前に、4人揃って難しい顔をしていた。

「なぁ、言っていいか」

「ダメ」

「津守の親、クズだよな」

「ダメって言った！でも同意！」

「ていうかあの、結くんから聞いていた話と少し違いませんか？聞いていた話よりずっと酷いというか…」

「そりゃオブラートに包んで話したって事だろ。同業者に何でンな遠慮するんだか…いや、幻滅されたくないって言ってたし、俺たちに嫌われると思ったのかもしれないな」

班長の言葉に揃ってずん、と沈む。そうだった、あの子何かあれば俺たちに嫌われると思ってるんだった。

結は境遇のせいか、人の好意や愛情を素直に受け止められないきらいがある。好意の裏には自分を傷付ける何かがあるかもしれない、と思っているのだ。無償の愛というものを知らないからだろう。まぁこれは彼を害する者が居なくなってからゆっくり教えていけばいい。恋でもすればきっと変わるだろうが、彼は恋愛ドラマを見ると眉が下がる。色恋沙汰は苦手なのだろう。尚これも彼は無自覚だ。

「まぁ何はともあれ、これで逮捕できるだろ？裁判で有罪、或いは接近禁止命令が出される程度の証拠にはなったはずだ。これ上に提出してくる」

班長が書類一式を手にして会議室を出ていく。

残った俺と松田、高木くんは一仕事終えたと深く溜息を吐く。

「…第一段階終了、って感じかなぁ」

「大事なのはこっからだろ。自宅に乗り込むまでバレる訳にはいかねぇ。…すぐ承認されると良いんだが」

「やはり結くんが成人しているという点がネックですね。それに急を要するかと問われればそうでもないとも言えますし、部署も違うので時間が掛かるかもしれませんね」

「……そうだね」

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