扱い酷くないですか皆さん【文豪ストレイドッグス】

ツンデレ40 ページ40

その後、東西ヘタレが満足して離れた後、賢治君もぎゅーってして呉れました。

天使過ぎたので抱き締めました。

苦しいって云われましたごめんなさい。

「却説、仕事仕事」

一段落したから仕事に取り掛かる。

いつもより遅くなってしまった。

「ん？太宰君なに？」

「心中しよう」

突然のお誘い。

余りに突然で久し振りだったから一瞬固まってしまった。

中島君が電光石火でこちらに来て太宰君から守るように立つ。

「やーだー！！！！あの蛞蝓の方が付き合い長いの狡いー！国木田君が下の名前で呼ばれるなんて狡いー！！！！心中出来ないならせめて私も下の名前が良いー！！！治君って呼んでー！！！！」

え、何この掌返された感。

え。待って。何が吹っ切れたの。

今まで治君って呼ぼうとしたら“は？”って云って来たの誰だよ中島君だよ。

『太宰君は治より太宰で慣れてるから太宰君で良いや』

って感じでそのままなんだっけ。そうだわ。、

だって探偵社の皆誰も太宰君の事治って呼ばないから。

「自己紹介する時に“太宰。太宰治だ”なんて太宰二回云うから治の印象が薄くて違和感凄いんだよ分かって？」

太宰君が傷付いていた。

「え、何かごめん」

「許さない」

「えぇ……」

中島君を仕事に戻して私はソォファで太宰君を慰める。

中也君呼んだら元気になるかな。

「誰に電話する心算」

「え？中也君」

「絶対止めて声も聞きたくない寧ろ着信拒否しなよ」

「わぁ、元気になったね！」

思ってもない事を云うと、ぐりぐりとウメボシされた。

流石元相棒。やる事が同じだし力加減も同じだ。

中也君の方が痛いけど。

「其にしても突然下の名前が良いなんて如何したの太宰君」

「……別に」

「あ、そうなの？じゃあ呼ばなくて良いんだね」

我ながら狡い手を使うなぁと思いながら立ち上がるとソォファに引き戻される。

じっ、と見下ろされたその瞳はいつぞやと同じで綺麗で。

でも逸らしたくても逸らせなかった。

瞳が潤んで今にも壊れそうだったから。

「わ、たし…」

「ん？」

「特別、だから。君が。だから君に特別に下の名前で呼ばせてあげたかったの」

顔を真っ赤にして云う太宰君。

え、君そんな可愛い要素あったっけ？

私は吹き出して云った。

「はいはい、ゴリラで特別なんだよね。判った判った。太宰君」

「……下の名前が良いったら」

「治君」

小学生みたいと笑ったら真っ赤な顔で叩かれた。

ツンデレ41→←ツンデレ39

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す