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拾ノ咄 ページ10

『ナオミ
探偵社で何を?』

単発で、率直な質問。
何で渡すのも上手いんですかね。

『怜
エリスという娘の遊戯に付き合った』

『ナオミ
具体的に何を?』

思い出したくない記憶を呼び起こす。
………黒歴史決定です。
写真は森医師にしか撮られなくて良かった。

『怜
ドレスを着せられ、そのままの状態でトランプお絵描きエトセトラを夜まで』

……彼女が吹き出す寸前まで笑うのを僕は初めて見ました。
死にかけの魚…?

『ナオミ
お疲れ様です』

字が物凄く震えている。

「はぁ………」

僕は誰にもバレない様に、溜息を吐いた。

「ふっ、ふふっ!お写真はありませんの?」

休み時間になると笑いも冷めやらぬというのに聞いてきた。
僕は無いと答えた。
本当に無いですから!

「えー、勿体ぶらず見せて下さいまし!」

「本当に無いんです!」

「何故無いのですか!」

「何故残すんですか!」

このやり取りは放課後になっても続いた。
探偵社に向かう間もずぅっと。

「もう!いい加減に諦めて下さいナオミ!」

ぴたりと声が止まった。
ついでに、歩みも。

「…如何されました?」

「い、いえ、少し吃驚して…」

不思議に思い首を傾げる。

「その…初めて私をナオミと呼んで下さいましたわね…?怜さん」

……嗚呼そう云えば未だ呼んでいなかった。

「厭ですか?厭ですよね?ならやめます!」

顔が輝くのが自分でも判った。
此でリンチが免れる!

かに思えたのだが。

「一言も云っておりませんわよ…?」

「ゴメンナサイ」

そう云えば彼女は最初から僕の事は名前呼びだったなとふと思う。

「では入りますわね♪」

お兄さんに会えるからか、学校よりも少し声のトーンもテンションも高いナオミ。

「失礼します」

取り敢えず礼をする。

だって僕は未だ部外者だし。

すると中島さんがお帰りなさいと云って下さった。
僕は部外者ですよ、と云う。

でも彼は、若し入社を決めた時、いつまでも其では違和感があるでしょう、と。

だから僕は、少しはにかみ乍只今帰りました。と呟いた。

けれど、和やかな時間は此処まで。

「却説、朝の件なのだけれど」

僕は事細やかに話した。

質問は凡てありのままを答えた。

「ドレス?!」




………何故皆其に食いつくんですか。

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作品ジャンル:アニメ
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蛍(kei)(プロフ) - あんこさん» 深夜テンションの塊だなぁとは思ったけど突っ込まないでおく((( (2017年2月25日 12時) (レス) id: a4aa4c4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 蛍(kei)さん» いえー!ありがとー!!夢主君のドレスに突っ込まないでくれてありがとう深夜テンションでこれ殆ど書いたんだ← (2017年2月25日 9時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(kei)(プロフ) - どもどもー、零御だぜ!やばいナオミちゃん可愛い……(( (2017年2月25日 0時) (レス) id: a4aa4c4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
リズ - この作品面白いですね! (2016年11月13日 23時) (レス) id: 9929c522bf (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - あんこ様、太宰さんとの絡みを書いて頂き、ありがとうございました!最高に面白かったです!!これからも頑張って下さい! (2016年10月28日 19時) (レス) id: 3767d3feec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あんこ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2016年10月8日 18時

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