参拾伍ノ咄 ページ35
先程の太宰さんは何だったのだろう。
そう思いながらも僕は仕事に戻った。
とは云え出来る事は限られているのだけれど。
「怜」
「はい!何ですか?社長」
「今日は太宰の家に泊まれ」
「判りました!」
僕は、居場所が特定されては危険な人物の1人として、寝る際は探偵社の皆さんの家に毎日ランダムにお邪魔している。
昨日は中島先輩の部屋でした。
太宰さんの部屋は何だかんだ初めてで、少しだけ緊張します。
あ、ナオミと谷崎さんですか?
あのお2人の空間に入り込む勇気は僕にはありませんので丁重にお断りして国木田さんの家へお邪魔しましたよ。
「うふふっ、宜しくね」
「もうっ、明日も送迎は太宰さんですの?」
不貞腐れた様に谷崎さんに云うナオミ。
太宰さんは一瞬固まり、隅っこで茸を栽培し始めた。
僕はその背中に手を起き、微笑み乍云った。
「茸食べて黄泉の国へ行くのは構いませんが、余り国木田さんに迷惑は掛けないで下さいね」
いよいよ太宰さんは泣き出していた。
「うっうっ、酷いよ怜君!」
「えっ、あ、済みません」
僕よりも背の高い歳上の男性に抱き着かれるのは流石に重い。
然し避けられずに、其の儘抱き着かれてしまった。
「流石の私だってそんな事云われたら傷付くのだからね?!」
「太宰さんでも傷付くんですか」
「うふふっ、君は態となのかなぁ〜!このこの〜!」
頬を人差し指で突かれる。ちょっと痛い。
「中島先輩ぃい!此の人茸食べてないですよね?!」
「えっ?!うっ、うん!食べてなかったよ!」
真面な状態?此が?此の号泣し乍笑って僕の額を全力で人差し指で突いている此が真面な普段の状態?
「中原さんより余程怖いです!」
ぴたり。
凡ての動きが止まった。
…旧晩香堂が、静かになる。
「…え、あの…。…おーい…?」
「中也が?何だって?若しかして君中也と最初にマフィアに行った時以外で話したの?」
「せ、先日お会いしたので…あっ、服も頂きました!」
「服くらい私だって買ってあげられるのに!」
「何張り合ってんですか!!!」
僕は何か悪かったのかと心配して損をしたと思い乍太宰さんから離れた。
「うふっ、うふふふふ」
…と、背後から怪しい笑い声。
「あのチビ…私が必ず【ピー】して【ピー】して見るも無残な姿にしてやる…」
「怖い事云わないで下さい!」
元マフィアの恐ろしさを垣間見ました。
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蛍(kei)(プロフ) - あんこさん» 深夜テンションの塊だなぁとは思ったけど突っ込まないでおく((( (2017年2月25日 12時) (レス) id: a4aa4c4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 蛍(kei)さん» いえー!ありがとー!!夢主君のドレスに突っ込まないでくれてありがとう深夜テンションでこれ殆ど書いたんだ← (2017年2月25日 9時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(kei)(プロフ) - どもどもー、零御だぜ!やばいナオミちゃん可愛い……(( (2017年2月25日 0時) (レス) id: a4aa4c4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
リズ - この作品面白いですね! (2016年11月13日 23時) (レス) id: 9929c522bf (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - あんこ様、太宰さんとの絡みを書いて頂き、ありがとうございました!最高に面白かったです!!これからも頑張って下さい! (2016年10月28日 19時) (レス) id: 3767d3feec (このIDを非表示/違反報告)
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