作戦会議 ページ40
＿＿＿＿＿
｢それで、朔間くんには何か考えがあるの？｣
不満も拭いきれないまま、座るよう促されたクッションに腰を下ろしてAは聞いた。これでくだらない作戦だったらすぐにでも帰ってやろうと思った。
事を急ぐAを、零は寝起きのトマトジュースを飲みながら｢まぁ、待て｣と宥める。
｢S1まであと何日もない。当日も足並みを揃えようぞ、といった提案をしに来たんじゃよ｣
｢そう言っても、出演の申請したのは『Trickstar』だけなんでしょ？｣
Aはもちろん、『UNDEAD』も今回のドリフェスには申し込んでいない。告知されているのは生徒会勢力である『紅月』と『Trickstar』だけだった。
｢今回はちと出演するユニットが少ないようでのう。これでは蓮巳くんも物足りないじゃろうから、我輩の『UNDEAD』と葵くんとAで盛り上げてやろうと思うんじゃよ｣
｢私も？｣
ドリフェスは個人かユニットで参加できるので、出たことはないがAにも出演は可能である。尤も、ユニットメンバーが夢ノ咲にいないので個人に限定されるが。
前代未聞の作戦に固まるAの横で、北斗は冷静だった。
｢ドリフェスの飛び入り参加は認められなかったはずだが｣
｢なに、『Trickstar』には生徒会の人間がいるじゃろ？くれぐれも隠密に頼むぞい……♪｣
｢まさか、衣更にやらせる気か？｣
零は｢使えるものはなんでも使う｣といった様子で、北斗の言葉に頷いた。飛び入り参加のための手続きを、生徒会役員である真緒にやらせるつもりだ。
｢それに盛り上げるって言ったって、具体的には何を？｣
何人でかかろうと、ただ『Trickstar』のお膳立てをするだけでは生徒会に勝てないということは、Aも知っている。
｢ドリフェスは、上位のユニットから演目を行うじゃろ｣
先日のドリフェスでの、『紅月』のパフォーマンスが終わるなり観客が帰ってしまった事件は記憶に新しい。この決まりがある限り、生徒会に属さないアイドルはいつまでも不利だ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 221人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
天羽モモ(プロフ) - 面白かったです (10月17日 23時) (
レス) id: 8c3e9536fe (このIDを非表示/違反報告)
wx667p9bc7(プロフ) - 続き気になる〜 楽しみ (2024年1月16日 20時) (レス) id: 3c68cd38f5 (このIDを非表示/違反報告)
トド(プロフ) - ゆさん» 大変お待たせいたしました！これから更新進めていきますのでお楽しみに！ (2023年10月15日 23時) (レス) id: 6ab8a556b3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ(プロフ) - とても続きが気になります！余裕がある時に執筆いただけたら嬉しいです՞⸝⸝> ̫ <⸝⸝՞ (2023年10月8日 23時) (レス) @page1 id: 11ae07be49 (このIDを非表示/違反報告)
傘(プロフ) - アテネさん» ありがとうございます！前作が完結したらバリバリ進めていきたいと思います (2023年8月31日 21時) (レス) id: 6ab8a556b3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：トド | 作成日時：2023年8月31日 20時
