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会合 ページ26

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 軽音部の面々が部室でたむろしていた、その日の夕刻ごろ。Aは呼び出しに応じるために、軽音部部室へと急ぎ足で向かっていた。





(朔間くん、学校でわざわざ呼び出す割にはまったく授業に出ないし!)





 零から呼び出しがあったのは、真昼間の授業中だった。さすがに放課後でいいだろうと普通に授業を受けていたら、早く来いと先ほど催促の連絡が来た。



 軽音部の部室には当然入ったことがないので、冒険していたら想定以上に時間がかかってしまった。ドアの前で呼吸を整えてから、一思いに開け放つ。





「いきなりどうしたの……って、え?」





 目に入ってきた光景に、Aは唖然とする。この時のAは彼らの名前を知らなかったが、疲弊して床に座り込む北斗と真、2人よりまだ元気のあるスバル、壁際にちょこんと座るあんず。肝心の零は、愛用の棺桶の上に、魔王のようにゆったりと腰かけていた。



 そしてこの突然の事態に驚いたのはAだけではないようだった。





「生徒会長の、元恋人……?」

「おね〜さん、テレビに出てた!?」





 顔を顰めた北斗と、反対に目を輝かせたスバルの声が重なった。2人は互いに顔を見合わせると、「何を言ってるんだ」と言いたげなオーラを醸し出す。





「明星は知らなかったのか。
A先輩は、夢ノ咲学院に通う唯一の女子アイドルだ。そして、去年までは生徒会長と付き合っていた」



「そうなのっ?生徒会長ってば、もったいないことするな〜」





 北斗の説明を聞いて、スバルが悔しそうに拳を振る。対してAは、非常にいたたまれない気持ちでいた。





「生徒会長の元カノが、何の用だ?」





 北斗の冷たい眼差しが、Aに突き刺さる。暴君のような生徒会の親玉には、誰しも少なからず恨みを持っているはずだ。その元彼女が来たとなれば、生徒会の刺客ではないかと疑うのも無理はない。



 Aは誤解を解くように、ぶんぶん手を振り首を振った。





「その呼び方恥ずかしいから、気軽に名前で呼んで?
私は朔間くんに呼ばれただけで何も知らなくて……」





 そう言って、Aは騒ぎの元凶である夜闇の魔王をジト目で見た。

革命→←軽音部



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天羽モモ(プロフ) - 面白かったです (10月17日 23時) (レス) id: 8c3e9536fe (このIDを非表示/違反報告)
wx667p9bc7(プロフ) - 続き気になる〜 楽しみ (2024年1月16日 20時) (レス) id: 3c68cd38f5 (このIDを非表示/違反報告)
トド(プロフ) - ゆさん» 大変お待たせいたしました!これから更新進めていきますのでお楽しみに! (2023年10月15日 23時) (レス) id: 6ab8a556b3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とても続きが気になります!余裕がある時に執筆いただけたら嬉しいです՞⸝⸝> ̫ <⸝⸝՞ (2023年10月8日 23時) (レス) @page1 id: 11ae07be49 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - アテネさん» ありがとうございます!前作が完結したらバリバリ進めていきたいと思います (2023年8月31日 21時) (レス) id: 6ab8a556b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:トド | 作成日時:2023年8月31日 20時

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