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｢うーん……やっぱり実戦で使えるようにするには、わたしがもっと鍛えないとだね｣
｢タイミング自体は完璧だからな。特訓なら付き合うよ｣
｢ありがと修也、だいすき！｣
豪炎寺の手をぎゅっと握って｢大会が終わったらお願いするね｣と笑うA。先程までの真剣な眼差しは何処へやら。あっという間に甘々な雰囲気に包まれたバカップルにツッコミを入れる染岡といういつも通りのやり取りをしていると、お高そうな黒い車がグラウンドのそばで止まった。
｢あれ？ バトラーさん｣
雷門家の執事でありイナズマイレブンのメンバーである場寅に続いて出てきたのは、雷門中の理事長……夏未の父だ。
｢なんで理事長が？｣
｢さあ？｣
｢わかった！ 理事長も元イナズマイレブンなんだな！｣
｢なんでそうなるのよ。父はね、中学サッカー協会会長……それに、フットボールフロンティア大会実行委員長でもあるのよ｣
円堂に呆れたように返された夏未の言葉に驚く。まさか、理事長がそんなにお偉いさんだとは。フィールドにいたメンバーが集合し、整列した。
｢諸君。全国大会出場、おめでとう｣
｢ありがとうございます！！｣
はじめに雷門イレブンに声をかけた理事長が、監督･響木に視線を移す。
｢監督、夏未から聞いた時は驚きましたよ。まさか伝説のイナズマイレブンがチームを率いているとは｣
｢よして下さい、昔のことですよ｣
｢いやいや、よく戻ってきてくださった｣
何というか、理事長の言葉のひとつひとつからサッカーへの愛をひしひしと感じた。彼は再び雷門イレブンへ向き直る。
｢そして、君たちのお陰でフットボールフロンティアは大きな盛り上がりを見せている。全国大会でも、熱いゲームを期待しているよ｣
｢はい！｣
元気よく返事をした円堂が仲間たちの方を振り返った。
｢みんな、優勝目指して頑張ろうぜ！｣
｢おう！！｣
｢おお、頼もしい｣
｢理事長も、応援してください！｣
｢任せておきたまえ！｣
ガッツポーズまでするとは、随分と熱い理事長である。円堂に似ているかもしれないという秋の言葉に、夏未が恥ずかしそうに咳払いをした。
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作者名：おひめ | 作成日時：2022年9月24日 12時
