【inzm】雷門の天使様２ (ページ7)

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　次の日の放課後。
　先程部室前で合流したマネージャー陣と共に扉を開け、最初に目に入った光景に目をひん剥いた。染岡が豪炎寺の胸倉を掴んでいたのだ。

｢ちょ……修也に染岡、なにしてるの？喧嘩？｣
｢ッチ｣
｢なんでもないよ、A｣

　染岡は苛立たしげに舌打ちをして、豪炎寺の胸倉から手を離す。Aが喧嘩の類を嫌がることを知っている豪炎寺は、安心させるように目を細めて笑った。彼のAに向けるあまりに優しい微笑みに、部員たちは驚いて思わず息を止める。
　静まり返った部室に秋と春奈がDVDを持って入ってきた。

｢みんな、いる？｣
｢これ、見てください！｣

　春奈のパソコンで、DVDの映像を見る。内容は、週末に練習試合を行う対戦校の尾刈斗中の試合映像だった。春奈が新聞部の情報網を使ってゲットしたものらしい。Aは得意げにする春奈の頭を撫でた。

｢さすがだね。ありがとう、春奈｣
｢えへへ……これくらい御茶の子さいさいですよ！｣
｢すっげーよマネージャー、これで尾刈斗中の研究が出来るぞ！｣

　興奮した様子で言う円堂は勿論パソコン間近の最前列にいる。
　尾刈斗中からのキックオフで試合が始まった。尾刈斗中が攻め込んでいく中、相手のチームだけまるで時が止まったように動いていない。

｢これは……｣
｢なんであいつら止まってんの？｣
｢多分、動けないんです。噂では、尾刈斗中の……呪いだとか｣
｢呪い？｣

　マックスの疑問に、春奈が推測を話す。あまりにサッカーらしくない単語を、部員たちは不審そうに繰り返した。

｢……呪い、か｣

　Aは考え込む。非現実的だが、実際にこの映像の尾刈斗中の相手チームは、動きの途中で一時停止されたかのように全く動けていなかった。フィールドプレーヤーのみならず、GKまで。
　何かギミックがあるはずだ。相手の動きを止めてしまえるような、そんな仕掛けが。

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