【inzm】雷門の天使様２ (ページ17)

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｢やっと気づきやがったか！だがもう遅いぜ！｣
｢まだ終わっちゃいない。俺たちの反撃はこれからだ！｣

　円堂がゴールからボールを蹴り出し、試合が再開した。

｢FWにボールを回すんだ！｣
｢でもキャプテン、染岡さんのシュートじゃ……｣
｢あいつを信じろ、少林！あの監督の言う通り、俺たちはまだまだ弱小チームだ。だから、一人一人の力を合わせなくちゃ強くなれない。俺たちが守り、お前たちが繋ぎ、あいつらが決める！俺たちの1点は、全員で取る1点なんだ!｣

　キャプテン円堂の言葉で、チームは再びひとつになる。｢太陽｣というのは形容だというのに、彼が眩しくて仕方なかった。

　チーム全員で取る1点。これはジュニアチーム時代のAも、木戸川清修時代の豪炎寺も、どちらも経験したことのないサッカーだ。
　いつかサッカー部の練習を見ていた豪炎寺は、いいチームになりそうだと言った。本当にその通りだと心から思う。円堂(太陽)がこのチームにいる限り、光が尽きることはないだろう。

｢なんだか、サッカーしたくなってきちゃった｣
｢試合はまだダメよ｣
｢わかってるって〜｣

　秋の言葉に、へらりと笑って返す。

｢試合に出るなら絶対このチームが良いし、逃げずにちゃんと検査受けなきゃね｣
｢逃げてたの！？｣
｢あ、口が滑った｣
｢もう、A！｣

　自分のために怒ってくれる秋にほっこりしつつ、ごめんごめんと宥めてから、もう一度雷門イレブンを見遣った。

｢絶対に勝ってね、みんな｣

　わたしも、みんなとサッカーできるように頑張るから。

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