【inzm】雷門の天使様 (ページ27)

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　マックスと影野が入っても十人だから、もしかしたら本格的に自分の出番があるかもしれないとAが考えていると、急に地響きがした。どうやら帝国学園のお出ましのようである。
　登場だけで天候を変えるとは化け物でしかない。

｢レッドカーペット、初めて見た〜｣
｢天宮は能天気だなぁ｣

　能天気とは失敬な、風丸の頬も円堂や豪炎寺のようにつんつんしてやろうか、と手を伸ばすと目にも留まらぬ速さで逃げられる。陸上部仕込みのとんでもないスピードをこんなところで発揮するんじゃない。
　一応お客様が来たのに風丸の追跡をするのは気が引けたので、改めて個性溢れる登場をしてきた帝国学園に目を向ける。
　まるで軍隊のようだというのが第一印象だ。レッドカーペットの両側には敬礼のつもりなのかサッカーボールを足元に置いてポーズを決める人たちが並んでいるではないか。

　ゴーグルとマントを装着した個性が限界突破している少年を先頭に、サッカー部員と思しきユニフォーム姿のこれまた個性的な少年たちが続いてレッドカーペットを歩いてきた(諦めの悪いキャプテン、顔が怖い染岡、忍者ばりに足の速い風丸など、個性だけで言えば雷門サッカー部も負けてはいない気がする)。

　いかにもとんでもないことをやらかしそうな帝国学園に、Aは早速頭が痛くなった。雷門の面々を観察すると、既に萎縮している選手もいる。
　まだ人数が揃ってもいないというのに、どうしたものか。何故かオリジナルマネージャー秋も不在だ。

　不安からか無意識のうちに幼なじみの姿を探していたようで、多くの観客の中あっさり見つけられた自分に驚いた。…何だかんだ、豪炎寺も雷門サッカー部の行く末が気になっているのかもしれない。

　今幼なじみのことを考えても仕方が無いので、個性が限界突破した帝国のキャプテンと我らがキャプテン円堂が挨拶をしているのに意識を向けることにした。

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