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『……あっ』
お風呂場や洗面所、キッチンや寝室などある程度掃除を終え、最後に玄関掃除に取り掛かっていると
玄関のすみに何かが落ちていた。
それは手帳のようなもの。
安室さんは急いでジャケット着ていたため
その時に落ちたものだと安易に推測できた。
手に取り、中を開いてみる。
それは
＿＿＿＿"安室透"のモノではない警察手帳だった。
『ふる、や…れい?』
それは、だれ?
顔写真は、私の知る "安室さん" 本人だけれど。
ああ、そっか。
ただ偽名だっただけか
よく知りもしない人に
惚れて
浮かれていたんだ。
あわよくば、
本当の彼女になってレンタル彼女のバイトを辞められる
なんて
考えてた自分が情けない。
ただのレンタル女に
本名を教える義理なんてないんだから。
"あの人" からすれば
私は 仕事と遊びのためにレンタルした他人。
……今日で、終わる関係。
私の頬は濡れていたが
1週間お世話になったこの家の掃除を続けた。
＊
「ただいま戻りましたAさん」
『おかえりなさい』
帰った来て早々、部屋の変化に気付いた "降谷さん" は私にお礼をいい抱きしめた。
「掃除してもらってあれですが、また1ヶ月レンタルさせてください。大きな事件が片付いたので…」
『ごめんなさい、私もう仕事入ってるんです』
抱きしめるのをやめ、目の前に立つ降谷さんはとても驚いていた。
まとめておいた自分の荷物を持って
玄関まで歩いた。
『見送りは結構です。この1週間、楽しかったですよ。ありがとうございました』
呆気にとられて、呆然と見つめている。
『それではさようなら、"降谷さん"』
私は彼の表情を見ずに
想いを残さないように
足早にマンションを出た。
薄暗い夜道の中
たった数本しかない蛍光灯の下を歩き続ける。
私は、泣いていた。
ごめんなさい、
完璧なレンタル彼女 を最後までやり遂げられなくて。
大好きだった、いや、今も大好き。
ただ 悲しかっただけなの
【信用されていなかった】という事実が。
本当にごめんなさい、降谷零さん。
＊
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神 - 最高でした。このお話を見つける事が出来て本当に良かったです。 (2021年2月22日 21時) (
レス) id: 4fbbe91aff (このIDを非表示/違反報告)
YuA - 本当に最高でした！！めっちゃよかったです！ありがとうございました！ (2019年6月5日 23時) (レス) id: e47fcee899 (このIDを非表示/違反報告)
楓 - イナズマイレブン私も大好きです...!エイリア学園の3トップカッコいいですよね!穏やかなヒロトが好きです!降月さんは3トップの中で一番誰が好きですか?? (2018年5月20日 19時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
ナッポレオン@カレーが相棒(プロフ) - 凄くキュンキュンしました！安室さんかっこ良かったです！素敵なお話をありがとうございました！ (2018年5月3日 13時) (レス) id: 8e13bd886f (このIDを非表示/違反報告)
あこい - 初めまして！一気読みさせていただきました！！途中で泣いてました笑。ドキドキさせていただいてありがとうございました！ (2018年5月1日 19時) (レス) id: 774c550cbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：降月(ふるつき)
| 作成日時：2016年6月25日 0時
