臆病者ヒーロー。【水溜りボンド】 (ページ8)

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＃7【Kanta】ページ8

Aが行ってしもた。

「カンタwww編集進んでねえじゃんかw」

「っるさいわw。」

「ホントAの事好きすぎでしょw」

「別にそんな事ねぇし。」

「照れちゃってっw」

「照れてなんかねえわw」

“すき”か。

俺はきっと本当に”好き”なんだろうな。

まず俺が人見知りだから仲良くなるまでは男でも駄目だし。
女の子だと余計に固まっちゃうし。
視聴者さんは大丈夫なんだけどね。
だから恋愛なんてした事がなかった。

最近やっとこれが”好き”だって分かったんだ。

Aとの出会い方はロマンチックでもないけど
きっとその時から一目惚れしてたのかもしれない。

Aはどう思ってるんだろ。
俺が告ったとしてなんかギクシャクしちゃいそうで。

離れていっちゃうんじゃないかって不安になって、

怖くて、

俺は何でこんなに臆病者なんだろうか。

もっと強くて、

もっと頼りになって、

もっと、もっと。

いつもの完璧にしたいって気持ちが邪魔をする。

完璧じゃなくたってAは褒めてくれるのに。

どうしても自分がコントロールできないみたいだ。

本当にロボットだったらリモコンで操作すればいいだけなのに。

俺はいつも、無いものを取ろうとして失敗する。

Aの心は見えないだけで無いわけないのに。

取ろうとして失敗しそうで怖い。

好きだっていう気持ちと怖くて不安な気持ちがごちゃ混ぜになって

俺を混乱させる。

Aはヒーローだって言ってくれるけど、

＿＿＿＿どうかこの俺をもっともっと強いヒーローにして下さい。