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暗転 ページ49

視界が暗転する。

代わりに、聴覚、嗅覚がいつもより鋭い。



「…目が半分赤く…?」



…へえ、今、半分だけ目赤いんだ。

散弾銃を右手に構え、ひたすら撃つ。



「ゔっ、ぐ…っ、ダメ、だろ?

こんな…怪我させたら…?」



暗い中、近くで甘く囁かれる。

蹴ろうとするが、その前に避けられたか。

…呼吸が浅くなってる。疲れたのか?



「…真実を教えないなんてエゴだ


選択を誤るなんてあってはならない


俺はろくでなしで大嘘つきだ、わかっているさ


結局全てのことに責任など取れない


ならば私は最後まで真実を覆い隠そう


踊れ子供達(ロストチルドレン)】」



…あは



あははははははははっ!



子供特有の甲高い笑い声が響く。



「…さあ、今宵は満月だ。

お前みたいな人狼は一番力が出るよだよなぁ?

ほら、子供達と遊んで来いよ!」


「っ、悪魔かよ…!」



…残念、



「悪魔だよ」



鉄棒に座る。



「…あっは、楽しいな?」



誰に言うわけでもなく、ただ金属音を耳にしながら歌を口ずさむ。



「っ、やぁっ、と…」



その声で我に帰り、鉄棒から降りる。



「喰えるッ!」



…ほら、油断するから。



「…こうやって、喉刺される。

…すっごい苦しそう。…見えないけどさ」



ゴボゴボと血を吐き出しているのか。



「Aっ、遅くなってごめ…?」


「…ははっ、本当におせーよ」



振り返ってそう言う。



「人狼に襲われかけたからさ、実戦に持ってきちゃった。

…だいじょーぶ、死んでないよ」


「…後ろッ!」



琴葉が叫ぶ。

わかってるよ。

喉刺されたぐらいで人狼は死なない。



「…だから楽しいんだよなぁ?

【魔法発動】【言動説得力上昇】

[…ほら、後ろに何かいるぞ?止まれよ]」



そう言うと、近くまで来ていた気配が止まった。

首元のすぐ近くで荒い息遣いが聞こえる。



「…ははっ、ザマアねえなぁ?

ほら、犬みたいに地面這いずり回ってわんわんっつってみろよ」



…楽しい。



「……デビルラーティを呼んだの?」


「あ”?んだその厨二病じみた…ああ。

主人が俺につけたクッソだせえ名前か」



だせえ…っておい、それが主人に対する態度か。

ってか体返しやがれ。



「しばらくは返してやんねー。

せっかくの現世だ、キリナの時は暴れたりなかったんだよなあ。

俺が満足するまでは、我慢しとけよ、主人」



は?おいふざけんなそれでも大悪魔かてめえ。

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作者名:リリムゥ | 作成日時:2018年5月13日 17時

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