気のせいか否か ページ25
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A side
…あの転校生さ？
顔は可愛いイケメンだよ？
でも、あの…昼休みに目の前で見つめられながら飯食うのはちょっと…。
「…Aって食べる時も可愛いね〜…」
躊躇なく人を呼び捨てにすんのやめてくれねえ！？
そして愛しそうに言うのやめろ！
くっそ、真昼達と食いたかったんだが…。
明日にするか…。
「ねー、彼氏ってだれー？
絶対奪って見せるからさ〜…」
君の近くにいるよ！？
同じクラスだから！
そしてお前に堕ちることは絶対ない！
神に誓ってもいいよ！
「…ごちそうさまでした」
「あれー、無視ー？僕悲しいなあ…」
勝手に悲しくなってろよ、と毒を吐きたくなるほど心が荒れてきた。
「…ねえ、こっち来て。
壁にもたれかかってみてよ」
教室にはさほど人はいない。
いるのは虎雪君とかえっと…漢字忘れた。
りゅうせい？君だっけなあ…。
そして桜哉君と真昼、そして姫名と琴葉。
あと何人か。全員女子。
…触れないでいたけど壁ドンフラグだよね！？
やめてそんなことされたら女子からいじめられる！
ただでさえもう面倒なのに！
嫌なので座っていると、腕を掴まれて、壁に押し付けられる。
いってえなてめえ、と文句を言おうとすると顔の横に手を置かれる。
ドンッ、と同時に音がした。
…虎雪君と桜哉君の少し黄色い声が聞こえたのは気のせい？ねえ気のせい？絶対違うよな？
「(Aの目が完全にクズを見る目だ…)」
遠い目で見てる気がする。
…誰か助けて。
「…池田君よ、私は好きな人がいるんだよ。
私は君に堕ちる気は全くない。
君はイケメンなんだから他の子達に夢みさせてあげなよ」
「僕はAだけだよ」
………即答すんなよ！
「…でも、やっぱり君は他の子とは違うね。
だって、こうされても君は顔を赤くしない」
ふふ、と笑った池田。
いや、そりゃそうだろ。
真昼いじりたいのに私が顔赤くしてどうするんだよ。
「…よ、けろ！
気持ちわりい…意味わかんねえし…」
押し退けて、そう言った。
が、池田は全く懲りていないようだ。
抱きしめてきやがった。
「ね、そんなこと言わないで？
…好き、大好き」
ガチの方で鳥肌が立つ。
池田を突き飛ばす。
池田がよろけて、机に当たる。
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作者名：リリムゥ | 作成日時：2018年5月13日 17時
