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4話 ページ5

それから、

私は、くやしい思いをかみしめながら、
その子を追って次々とこぎ出していく天使以外のKZのメンバーを見送った。

あいつ……、
もし秀明で会ったら、言いかえしてやろう。

そう決心して、私が口を結んでいると、天使が

『ほんとにほんとにごめんなさい』

と涙目で誤ってきた。

するとメンバーたちのいちばん後から走りだそうとしていた男の子が、
ちょっとこっちをふり向いて言った。

「A泣かない泣かない。

大丈夫だから。
若武にはオレからキツく言っとくからさ。」


『うぅっ たかちゃんありがとう。』


うっここで2人だけの世界に入って欲しくない。


被害者である私が確実に空気だ。

すると男の子の方が私に気づいたようで、

「君、かわいいね。」


わたしはびっくりした。

そんなこと言われるのって初めてだったし、
それにそのときは、思いっきりあいつの後ろ姿をにらんでいるところだったんだもの。


私は、
あわててにらむのをやめながらその子を見た。
とてもきれいな男の子だった。

長めの髪、少し悲しそうなふたつの目、甘い形の唇、天使と並ぶと絵になる。

「名前、教えてよ。」


青く見えるほど澄んだ目で、やさしくほほえまれて、私はドギマギしてしまった。

なんて言っていいのか、わからなかった。

天使を見て助けを求めてみるも、
天使は呆れて言葉も出ない。と言ったような顔をしていた。


それでもまだ男の子は私を見続ける。

ただ、
全然知らない男の子に、
やたらに名前なんか教えたら、
ママに怒られるにちがいないと思った。

言えない!

だけど、天使はやっと私の視線に気づいたのか

助け舟をだしてくれた。

天使は少し怒った様子で


『たかちゃん、

さっきので見直したけど

今のたかちゃんは残念』


なんて言って助けてくれた。
性格まで天使なんだ。


だけど、男の子は一瞬目線を天使に向けて


「え?なに?嫉妬?」


なんて言ってそれを聞いた天使はピンクがかった頬をプクッとさせて怒っている様子だった。


あははかわいー


〜〜!!うるさい


なんて掛け合いをしていた後、

再び男の子は私の方を向いて


「じゃ、あててみようか。

Aにはもっと嫉妬して欲しいし。」


そう言いながら男の子は、いたずらっぽく笑った。

きらめくようなその笑顔が、私の心に魔法をかけた。

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ももんが(プロフ) - 更新ありがとうございます!この作品は私の生き甲斐になっています!これからも更新頑張ってください! (2020年5月24日 16時) (レス) id: 5f1c65421c (このIDを非表示/違反報告)
- おはようございます!! とても面白いです! そして、楽しいです!自分のペースで、更新頑張ってください! 楽しみにしています!  作者様も、体調に気を付けて、無理なさらないでくださいね! 応援しています! (2020年5月24日 9時) (レス) id: fbeba8bbe8 (このIDを非表示/違反報告)
シロップ - 凄く好みの作品でびっくりしました!これからも更新頑張って下さい!! (2020年5月23日 11時) (レス) id: f315a783e1 (このIDを非表示/違反報告)
マロマロ(プロフ) - この作品すごく好きです!更新頑張ってください! (2019年11月17日 19時) (レス) id: 1787986370 (このIDを非表示/違反報告)
ももんが(プロフ) - 更新ありがとうございます!とっても嬉しいです!これからも頑張って下さい!待ってます! (2019年8月19日 12時) (レス) id: 5f1c65421c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:NONAME | 作成日時:2019年6月22日 23時

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