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1話 ページ2

「今日、KZがうちのグラウンド使うんだって」

このひと言で、クラスの大半の女子の顔が輝いた。

私も、ちょっぴり耳を大きくする。

「ほんとっ?!」

KZと書いて、「カッズ」読む。

今最高にカッコイイサッカーチーム。

「ほら、いつもなら秀英ゼミの専用グラウンドなんだけど、
あのあたりは、
ここのところの雨でまだぬかってて
ダメなんだって。
うちのほうは、そうでもないでしょ。」

「夢みたい!KZがうちに来るなんて……。」

「あのカッコイイ片岡クンを身近でみられるなんて!」

「あら、KZでいちばんカッコイイのは、大友クンよ。」

「みんな、いいわよ!
KZは、全員カッコイイわ!!」


「でも、残念なことにうちの学校には、KZのメンバーって、ひとりもいないのよね。
秀明ゼミ行ってる人は、何人かいるけどさ。」

女の子たちの視線がこっちにむけられるのを感じて、私は手が震えてしまった。


その時反対の方が男の子たちの声が聞こえた。


「KZなんてくだらねぇよ。
それよりさ、マネージャーの子
めっちゃかわいいよな。」


「わかる。
たしか名前はAちゃん。
秀明では天使なんて言われてるらしーぜ。」


すると女の子たちが私に向けられていた視線が男の子たちにうつった。


「そのマネージャーの子
ゆうほど可愛くないわよ。」

「そうよ。
それに秀明に行ってる友達からその子男好きってきいた。いつもKZと一緒にいるって。」

「なにそれ。キモー」


女の子たちがよく知りもしないKZのマネージャーの子の話しをしていた。

「おまえら嫉妬が見苦しいぞ。
Aちゃんがかわいいからって。
女コエー。」


男の子たちがそんなことを言って騒いでいた。

それに女の子たちも反撃する。

私はこの空気に耐えられずに教室を出た。

ときどき、風が通りぬけるの、ヒュウッて。

こんなこと思うの、私だけかな。
あれこれ考えながら私は、靴をはいて昇降口を出た。

体育館の前を通り、グラウンドの隅の並木の間を歩いて、裏門をくぐり、通りにでる。


瞬間、耳にキイッとブレーキの音。

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ももんが(プロフ) - 更新ありがとうございます!この作品は私の生き甲斐になっています!これからも更新頑張ってください! (2020年5月24日 16時) (レス) id: 5f1c65421c (このIDを非表示/違反報告)
- おはようございます!! とても面白いです! そして、楽しいです!自分のペースで、更新頑張ってください! 楽しみにしています!  作者様も、体調に気を付けて、無理なさらないでくださいね! 応援しています! (2020年5月24日 9時) (レス) id: fbeba8bbe8 (このIDを非表示/違反報告)
シロップ - 凄く好みの作品でびっくりしました!これからも更新頑張って下さい!! (2020年5月23日 11時) (レス) id: f315a783e1 (このIDを非表示/違反報告)
マロマロ(プロフ) - この作品すごく好きです!更新頑張ってください! (2019年11月17日 19時) (レス) id: 1787986370 (このIDを非表示/違反報告)
ももんが(プロフ) - 更新ありがとうございます!とっても嬉しいです!これからも頑張って下さい!待ってます! (2019年8月19日 12時) (レス) id: 5f1c65421c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:NONAME | 作成日時:2019年6月22日 23時

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