9.卵焼き ページ13
屋上の大きな扉を開く。
ギィィ…と錆びた音と鉄の扉の触り心地が、悪い意味でマッチしている。
「遅かったじゃないか。寧々、ありがとうな。」
「別に。Aとお昼ご飯食べたかっただけだし。」
そう言う寧々ちゃんの顔はとてもじゃないが、赤く染まっている。
私でも分かる。ツンデレってやつだ。
「寧々ちゃん、お弁当見せて。」
「え?…はい、これ。」
寧々ちゃんのお弁当の中身は、唐揚げにポテトサラダに梅干しご飯と、普通の物だった。
私は卵料理が好きなため、卵焼きをいっぱい詰め込んであるもの。
違う…女子力が違う。
「そう言えば、類はまだ来てないの?」
寧々ちゃんが先輩にそう問いかける。
「あぁ、購買でお昼を買ってくるって言ってたぞ。多分そろそろ来るんじゃないのか?」
そんな2人の会話を他所に、たくさんの卵焼きをもぐもぐと頬張る。
うまぁ…味付け上手くできたなぁ。
なんてことを考えながら。
「A…卵焼き、好きなの?」
「卵焼きっていうか、卵料理が好き。」
寧々ちゃんと2人でそう話していると、類先輩が屋上の扉を開き、こちらに向かってくるのが見えた。
「お待たせ。皆。Aくんも。」
「…お疲れ様です」
私の暗い返事が気に入らなかったのか、頬をムッと膨らませる類先輩。
不覚にも『可愛い』と思ってしまった。
「まぁいいや。皆、勉強教えてくれない?司は数学が得意なんでしょ?Aは国語で、類は物理とか科学。みんな得意分野がある訳だし。」
「そうだな。いいぞ。Aとの勉強勝負の続きもしないとだからな。」
「私、そんな勝負始めた覚えありませんよ。ま、寧々ちゃんに教えるのは全然いいよ。」
「僕も構わないよ。」
ということで、お昼休みの勉強会が始まった。
……司先輩って、変な人だよね。
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ノア(プロフ) - 彩花さん» ありがとうございます!wちゃんと楽しんでもらえるように更新頑張ります! (2020年11月25日 22時) (レス) id: 19a49adda0 (このIDを非表示/違反報告)
彩花 - 初めまして…作者さん卓球部なんですねぇ、パソコン部の自分からしたら運動部ってだけで凄いですよ!夢主ちゃんの司くんへの感情の変化が気になって夜しか眠れません!更新頑張ってください! (2020年11月25日 20時) (レス) id: a137df6c3c (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - クロユリ(スマホ)さん» そうですね…!えむちゃん可愛い、司くん可愛い、寧々ちゃん可愛い、類くん可愛い……!!よし。(洗脳済み) (2020年11月16日 23時) (レス) id: 19a49adda0 (このIDを非表示/違反報告)
クロユリ(スマホ)(プロフ) - ノアさん» 可愛いのは………可愛いのは分かってるんです………!でも!でも………!!!………ふぅ………落ち着け、私は推しに一途。私は推しに一途。私は推しに一途。よし、ワンダショ箱推ししましょう!!← (2020年11月16日 23時) (レス) id: f561713a15 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - クロユリ(スマホ)さん» ありがとうございます…!!司くん推しましょ!可愛いですよ!!! (2020年11月16日 23時) (レス) id: 19a49adda0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノア | 作成日時:2020年10月14日 22時