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十三話 無一郎side ページ15

今日はへんだ。




鬼の言葉になぜかイラついたり、刀鍛冶の長を後回しにして小さい小僧を助けたり。




昔の記憶も蘇った。今までこんなことなかったのに。





そしてこんなに手間取っている間に、俺は水獄鉢の中に閉じ込められてしまった。


突き技でもダメだ。こんなに刃こぼれした刀じゃ当然か。




終わった。



お館様。俺は死ぬからせめてあと1人、柱を頼みます。







(大丈夫。無一郎は強いから。優しいから。決めつけないでよ。



違う。炭治郎にはこんなこと言われていない。誰だっけ。






そんなことを考えているうちに、僕が今一番会いたい人がやってきた。




足も腕も傷だらけ。あっちで鬼と対戦していたんだ。久しぶりに見た。こんなA。









久しぶり?







「無一郎!、無一郎!」



あれ、Aが言葉を発している。Aは叫び声すら挙げられないって聞いたのに。

鈴がなるようなきれいな声。


ああ、ダメだよA。僕に気を取られたら。君は頭なのに。



こっちに来ないで。鬼に背を向けないで。



ほら、鎌が折れちゃった。


なんで刃を直接持つの?なんで僕のこの鉢を割ろうとしてるの?やめてくれ!もう傷つかないで!








あ、穴が空いた。


そこからAが息を入れて、僕は助かった。

何度目だろう、Aに助けられるのは。









ごめんね、忘れてて。

ごめんね、気づかえなくて。

僕が君と話している間、君はどれだけ悲しい思いをしてきたのだろう。

僕が忘れた直後、君に会って頭痛が止まらなくなった時、君は絶望してた。









だから、


今度は僕が君のことを守るよ。









君に出会ったのは、兄さんと暮らし始めて少し経った時だった。



初めて出会ったときは、天女かと思ったよ。




君といると楽しくて、ずっと一緒にいたくていろんなことを話していた。




髪紐のプレゼント、今もつけていてくれたんだね。



あの頃の僕は不器用で、染色にムラができて、こんなのあげられない、と思ったのに、

君ったらめざとく見つけて、嬉しそうにつけるんだもの。


君だったらこんなもの、いくらでももっといいのを作れるだろうに。









ねえ。袴の刺繍を見てもいい?ずっと忘れていたひどい僕に君はまだ夢を見させるの?





そんな愛おしすぎる君を、僕はもう手放せそうにないよ。









袴の刺繍の青い花は勿忘草



花言葉 私を忘れないで

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設定タグ:時透無一郎 , 鬼滅の刃 ,   
作品ジャンル:恋愛
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みぃちゃん - 初めて見ました。頑張ってください!! (2022年1月22日 10時) (レス) @page22 id: 07d077227f (このIDを非表示/違反報告)
天羽ステラ(プロフ) - コメントありがとうございます!これからも頑張ります! (2021年10月13日 19時) (レス) id: f35bb53857 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 初めまして!とっても素敵ですね!高評価しました! (2021年10月6日 19時) (レス) @page1 id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天羽ステラ | 作成日時:2021年10月3日 18時

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