砂塵に紛れるは、欲。/赤 ページ7
「センセンフコク/黒赤」より、赤の『欲望』
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大切なトレーナーがいる。
スカウト模擬レースで、ひときわ俺の目を惹いた女性。
小さいころから身体作りはしてきたおかげで、芝もダートもスムーズに走れた俺。タイムも好調で、それは多くのトレーナーが俺のことをスカウトしに来た。でも俺は知っていた、ここにいるトレーナー全員が、俺と共にシリーズを歩んでくれるわけはない、と。
そんな中、レースでゲート枠が同じだった小柄なウマ娘がスカウトされているのを見つけた。綺麗な金髪に、マーキングであろうひと房の白く長い髪が妙に印象的だったのを覚えている。話している相手は、小柄で元気そうな女性のトレーナーだった。はっ、と、心臓が高鳴って、どうしてもあの金髪小柄に彼女を渡したくないと思ってしまった。だって、彼女だったら、俺と共にレースのことを真剣に考えてくれそうだったから。もっと強くなりたいという俺の願いを、叶えてくれそうだったから。
気が付いたら、身体は動いていた。
「なぁ、あんた、ちょっとええか」
「ん？あれっ、さっきすごくかっこいい差しを見せてくれた子だよね！私はA。どうしたの？」
はにかんで俺に返事してくれたAに、トレーナーになってくれと頼みこんだあの日。
それが、およそ1年前の話なのだ。
先にスカウトされていた金髪小柄は、名をグルッペンと言った。身体が弱く脚が細く、Aトレーナーの用意したメニューの半分をこなした時点で限界だった。その点では、まだ、デビュー前は俺の方が彼女に褒められていたと思う。しかし、あいつがデビューしてからAは、あいつをよく褒めるようになった。
ついた称号は無敗のオールラウンダー。
俺だってオールラウンダーや。芝もダートも何だってできる。走りだって軽やかな自信がある。力強さだってある。なのにAはアイツばかり見る。
「トントン、ダート1着すごいね！G2もG3も1着ばっかり...デビューしたてなのにすごいよ！」
「...へへ、そうか？俺頑張ったやろ。俺もオールラウンダーやで」
「ふふっトントンならどこまでも1着取れそうだよ！」
笑いながら俺を褒めてくれる彼女が好きだ。それがたとえグルッペンに二冠取られた皐月賞とダービーだったとしても、彼女は決して俺を否定しなかった。その代わり、俯く俺をずっと優しく撫でてくれた。彼女の笑顔が欲しいから、俺はクラシックの舞台を走る。
「彼女に、もっと俺を見てほしい───」
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うん - 両方好きなので、とても嬉しかったです！！リクエストよろしければ、e／mさん書いてくれますか…！ (2022年10月27日 8時) (
レス) id: 23e75d003f (このIDを非表示/違反報告)
歩希/Ayumu(プロフ) - あさん» コメント、並びにリクエストありがとうございます。ぜひ書かせていただきますので、気長にお待ちください。 (2022年9月29日 2時) (レス) id: 883edcee1d (このIDを非表示/違反報告)
あ - とても面白かったです…！ リクエストが良いのか分かりませんがご迷惑でなければ ｼ/ﾝ/ｼﾞ/ﾝで書いて欲しいです…！ (2022年9月28日 23時) (レス) id: b70f974580 (このIDを非表示/違反報告)
菊(プロフ) - あああああああ…。有難うございます大好きです需要しか無い…。（拝んだ） (2022年9月26日 11時) (レス) id: 073ffef2d2 (このIDを非表示/違反報告)
まちゃ - ウワ好ｯき 作者さんありがとうございます！！！ (2022年9月24日 23時) (レス) id: 1869c0d867 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：歩希/Ayumu | 作成日時：2022年9月23日 22時
