CS__闇夜に融けて濡羽色 (ページ4)

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【セリフサンプル】

一人称︰僕
二人称︰あなた様,(生者にのみ)美しき君・君,(死神にのみ)同輩様,(階級烏の相手にのみ)烏のお方,

「美しき君の最期を看取り、籠より放たれ幾星霜。さてまた烏は呼ばれたと、すれば佇む第二の君。嗚呼、きみが……いえ、あなたこそが、僕の次の君…………。僕は、あなたを導くしがない鳥。……ええ、"呼ばれ烏"とでも名乗りましょうか」

「世を去る君への恋情(こいごころ)、僕は永遠(とわ)に負いましょう。何も恐れることはないのです、美しき君。あなたの生の証は、確かにこの僕の中にある。……それでも不安、と申されるならば…………僕との暫しの抱擁も、神にお許し頂けましょう。さあ、僕は君の想いのままに」

「僕の名を尋ねられますか、名も知らない同輩様。……ええ、知らないが故に尋ねる……全く理にかなっていますとも。僕は生者様には"呼ばれ烏"と名乗りますが、同輩ならば……そうですね。“口烏呼(くがらよばれ)”、などと呼んで頂くのも、懐かしい空気を感じていいなあ、とは少々……ふふ」

「生前は、全く大人しく過ごしておりましたとも。外を楽しげに駆け回る幼年達を横目に、まだものもいえず泣き喚く弟妹を幾度も抱き直す日々を、それはもう延々と続けておりましたもので。……ええ、あの幼子達はとても利口でしたよ。特に、僕に負担を掛けることがとても上手で……愛い子供だった、などという嘘は僕にはとても吐けませんね」

「御手をどうぞ、同輩の方。……僕の好意がそれ程までに疑わしいのですか？嗚呼、全く構いません。烏は人を脅かす害鳥、黒猫は不幸の象徴、そのように思われることも無理はございませんから…………でも、この一時だけはどうか。僕という一人の死者(どうはい)と、その目を合わせては頂けませんか？……なんて。ええ、こんな口説き文句は如何でしょう？御立派な同輩様」

「ええ、ええ。それはそれは……ふふ。……何が面白いのか、と？いえ、あなた様を嘲笑ったつもりは全く。ただ……あなた様に、束の間なれど笑みが増えたこと。それが何よりも嬉しく……そして、あなた様のその柔らかく華やいだ表情が、堪らなく愛おしく…………おっと。余分に話してしまいましたね。この話は、あなた様の冥土の土産として、今暫くは胸の内に……ね」

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