19 Alice ページ19
「ふーん、貴女、何年たっても変わらないね」
殴られるのは慣れてる。
そんな余裕も込めて、感情のコントロールが効かなくなっているアイツを見つめた。
「…な、なによ…」
「本当に思い出せないんだ。流石。だから、私みたいな…」
“なんの取り柄もない少女”に潰されちゃうんだよ
そう耳元でささやけば、思い当たる節があったのか、私を見返す。
「あんた…もしかして…」
周りのクラスメイトが私を心配そうに見つめている。
深月にアイコンタクトすれば、深月も頷いた。
「一回落ち着けよ。俺が保健室に行ったとか何とか言っとくから、頭冷やしてこい」
女王様は何が言いたいみたいだけど、口をつぐむ。
私は「着いてきて」と言って教室を出た。
お互い無言で歩く。
下駄箱を出て、校門を出て、夢生学園初等科に着いた。
「ここって、…」
何かつぶやいたみたいだったけど、大人しく着いてくる。
そして、私が復讐を決意した、かつての場所に向かう。
屋上。
警備員がいない、防犯カメラだけの裏門から非常階段を通って、屋上に着くとやっと私は振り向いた。
「…あんた、A…でしょ。中等科に上がる時に転校した…」
「えぇ。分からなかったみたいだけど」
「すごく痩せてたし。よくある名前だし。」
あんたがウチにした復讐の理由が分かった、と呟く女王様。
私の視線が鋭くなる。
「一応自覚はあるのね。
色々してくれたわね？」
クス、と笑いながら振り向けば、にわかにガタガタ震えだす女王様。
「最初から、いじめ、いや、恐喝に暴行なんて、しなければよかったのに」
蔑みの意思を込めて微笑む。
「…貴女、私に殺されてもおかしくないくらいのことを色々してくれたわよね」
命の危機を仄めかせば、がしゃん、と後ろのフェンスを掴む。
意識は小学生のあの時代に馳せた。
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りりいゆ - なんですかこの神作は。最高じゃないですか。 (2023年1月16日 19時) (
レス) id: 4ccaad0680 (このIDを非表示/違反報告)
引きこもり隊 - この小説見つけられてよかった！！！！こんなに面白いのは初めて！！！！復讐劇系が面白いと思えたのも初めて！！ (2023年1月9日 12時) (レス) @page23 id: af8345609d (このIDを非表示/違反報告)
西園寺氷空音(プロフ) - lkwistervenさん» そうですね！！やっぱそうですよね！ (2019年8月12日 18時) (レス) id: 79f8ec9787 (このIDを非表示/違反報告)
lkwisterven - 西園寺氷空音さん» きっとそうだよ！私もだから！作者様って語彙力高いよね！ (2019年8月12日 12時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
西園寺氷空音(プロフ) - このアリスちゃんどっちかというと悪女になってきてるのにイライラしたりしない……なぜだ……そうか！作者様の語彙力がありすぎるからだな (2019年8月11日 14時) (レス) id: 79f8ec9787 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あーみ | 作成日時：2018年4月7日 17時
