Prologue_2 ページ2
「いやっ、大丈夫なんで! 一人で帰れます、大丈夫っす」
「いやその状態見てはいそうですかとは……」
「…………」
「行きましょ」
「うっす……」
◆ ◆ ◆
そうして十センチ以上身長の低い、しかも女性の方に肩を貸してもらいながらよろよろとタクシーに縺れ込み、家の近くまで送って貰って無事帰宅できた。その時偶々お金を持っていたのでなんとか自分の分ぐらいのタクシー代は払うことができたのだが、後日改めてお礼がしたいとメールアドレスを交換した。お酒で酔っ払っていたんだろう、素面ならそんなナンパみたいなことしない。けどその時はアルコールで判断能力が低下していたし、なによりまだやんちゃしていた大学生時代の話なのだ。どうか、どうか許して欲しい。
翌日ナンパと思われないかとヒヤヒヤしながら連絡を取ったところ、普通に会ってもらえることになった。確か、お昼ご飯を奢らせてくれと。そんなことを言った気がする。もう既に一度顔を合わせていたからかスムーズに事が進んで、いざ会ってみるとびっくりするほど話が弾んだ。始まりは向こうからで「アニメとか漫画とか少し見るんですよね」と小さく溢した。それに私も同意し、そこからどんどんどんどん話が盛り上がっていって。最近読んでるラノベの漫画化が待ち遠しいだの、最近あのアニメを見返してるだの、あのアニメの展開が原作漫画と比べてどうだの。全然詳しくないと言った割には声優の方までカバーしていて、中々濃度の高い話をした。話している最中に年齢が同じであることも判明したのもあって、お礼をして連絡先を消してさよならする予定が、またいつか会って話をしようと。そういう約束をして、その日は別れた。
それからというもの、大学の帰りに会ってお茶をしたり、休日秋葉原に出向いて彼女の頼みによりメイド喫茶に行ったり、俺が大学で組んでいたバンドの演奏会に招待したり、何軒もハシゴして朝まで飲んだり。お互い敬語混じりだったのが完全にタメ口になって、お互いの家に遊びにいったりするようにもなって。いつの間にか、親友と呼んでも遜色ない関係になっていた。改めて考えてみても、よくもまあここまで関係値を変化させられたものだ。最初は酔っ払いとそれを助けた人だったのが、今では気の許せる親友になってしまった。事実は小説よりも奇なり、なんてよく言ったものだとしみじみ思う。
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如月1123(プロフ) - ヨツハさん» コメントありがとうございます、見つけて頂けて光栄です!私的にギャグ七割、恋愛三割ぐらいの感じで進行していければなと思っているので、笑って頂けて何よりです!お心遣いと応援感謝します、これからもよろしくお願い致します!! (2022年9月25日 13時) (レス) id: 857dce4f12 (このIDを非表示/違反報告)
ヨツハ - 初コメ失礼します。社長大好きなので見つけられて良かったです❗夢主の発言が毎回面白くてめっちゃ笑ってますw体調に気を付けて、これからも頑張って下さい。応援してます❗ (2022年9月25日 13時) (レス) @page14 id: 9b4b72f413 (このIDを非表示/違反報告)
如月1123(プロフ) - 飴さん» コメントありがとうございます!楽しく読んで頂けたなら作者冥利に尽きます…お褒めの言葉とても嬉しいです!!応援ありがとうございます、これからもどうぞよろしくお願い致します!!! (2022年9月25日 10時) (レス) id: 6bb8b6637d (このIDを非表示/違反報告)
如月1123(プロフ) - Hazukiさん» コメントありがとうございます、私が神です!!大嘘ですごめんなさい!!!確認したら画質ゴミカスだったのによく文字も絵も見えましたね……お褒めの言葉、とっても嬉しいです!これからも頑張らせて頂きます、よろしくお願い致します!! (2022年9月25日 10時) (レス) id: 6bb8b6637d (このIDを非表示/違反報告)
飴 - 初コメ失礼します!いつも楽しく拝見させてもらってます、お話めちゃくちゃ面白いし読みやすいしイラストもお上手で…!これからも更新楽しみにしております、応援してます! (2022年9月25日 1時) (レス) @page42 id: f3ac384fdb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:如月1123 | 作成日時:2022年8月27日 17時