傷跡 【長谷川慎】

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・○○ side



香織「ほんとにそれでいいの？」

『もう、決めたから』

香織「…後悔、しない？」

『…………、……うん……、』



考えて、考えて。


私が出した答えは、




『その…こないだは…ありがとう、言ってくれて…』

慎「はい、」

『でも、、ごめん、なさい……』




告白を断ること、だった。




『…その、慎くんは可愛い弟っていうか、』

『…恋愛対象、ではなくて、……』

『慎くんには、ほんとに沢山助けて貰ったし凄く、感謝してる』

『だからこそ…、もっと他に、、相応しい人が居ると思うし、』



”飽きられて、捨てられる”



自分が1番不安に思っていたことを、


顔も見たくない人に言われて。



ほんとに心の底から嫌いな人からの言葉なのに


どうして、こんなに心に刺さったんだろう。




いや、きっと、


自分の不安を、嫌いな人に言われたからこそ



より、感じてしまったんだ。



あいつからの言葉は全て、トラウマになるくらい頭に残る。



慎くんより、年上なはずなのに


全くしっかりしてないし、こんな情けない大人なんか


優しい彼にはもったいない。



慎くんの顔を見てると泣きたくなって。



早急にここから立ち去ろう、そう思った時に聞こえてきたのは



「ふざけんなよ」




怒った顔の、”あの人”だった。

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