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Episode【1】 ページ3
〜You side〜
快晴。
風が気持ちいい日だ。
わたしは窓を開けて、ぐんっと伸びをする。
白い髪が、海風に撫でられて揺れた。
いつも通り右目を髪で隠して、白いTシャツの上にパーカーを羽織る。
今日は、絶好の出航日和だ。
『…お世話になりました。』
今まで使っていた小さな部屋に、深くお辞儀をする。
荷物をすべて片付けてすっきりしたそこは、何処か寂しくて、わたしはすぐに背を向けた。
『よし、行くか。』
誰もいない海岸で、小さな帆船の帆を広げる。
風を受けて水面を滑り出した船は、あっという間に陸から遠ざかった。
広い広い、どこまでも続く青。
それは、わたしの気持ちとはうらはらに、美しく澄みわたっていた。
誰にも知られない、密かな船出。
既に自分の首に賞金がかけられていたなんて、知るよしもなかった。
『さて、何処へ向かおうかな。』
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