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天月くんのお粥を食べて眠ったA、夕方から夜に差し掛かる頃玄関から扉の開く音がした。そらるさんがバタバタと走りリビングへ入ってきた。
「Aは!!?」
『落ち着いて、安静にして寝てます。熱も下がりそうなのであとは大丈夫だと思いますよ』
「……そ、っか…はぁぁ…」
安堵のため息をついたそらるさんは膝から崩れ落ちた。ホッとした表情で寝室を見つめた。僕はそらるさんにライブが成功したのか聞くと、自分としてはいいライブだと思えた、と答えた。
「ぁ、そらるさんおかえりなさい」
「ただいま天月、ありがとね看病とか、色々」
「いーえ、助け合い助け合い!」
にこにこと笑って言った天月くんは僕を見つめてニヤりと口元を歪めた。僕は嫌な気がした。天月くんはそらるさんの耳元でこそこそを何かを言った、それを言った瞬間そらるさんの表情が曇る。僕は何を言ったのかと不安になり声をかける、すると肩を捕まれ笑顔で言われた。
「まーふ?焦がしたとは、何のことなのかな?」
『なっ!!?天月くん!それは言わない約束じゃ!!?』
「へぇ…じゃあ焦がしたのはホントなんだ…」
『ぁ…』
にっこりと微笑むそらるさん、僕は目を逸らし必死に逃げようとしたが流石黒帯、全く逃がしてくれそうにない。
『(あぁ…終わった)』
僕は30分程のお説教と料理の作り方を数日に渡って叩き込まれた。
お陰様で、1人で食べるくらいのものならそらで少しは作れるようになっていた。これぞそらるさんパワー…。
−Aside−
『…ん…ぅ』
目を開ける、彼方さんのはんぺんがあるか確認しようと身体を動かし横向きにする、私はその光景に目を見開いた。彼方さんが立っていた。
私はまだ夢の中にいるのだろうか…?
『か、な…た…さん?』
「…ぁ、起きたんだ。おはようA、具合は?どうかな…?」
『…もう、平気』
「そっか、良かった」
優しく微笑んで私の頭を撫でる。私はその手を止めて、握った。彼方さんは何も言わず握り返してくれた。
「…ごめんね、辛いのに一緒に居れなかった」
『いいの、そらるさんは忙しいんでしょ…?』
「…うん、だから」
私の言った言葉はやはり図星のようで彼方さんは目線を下へおとした。そして呟いた言葉に私は再び驚く。
「一緒に出かけよう、元気になったら…ね?」
『いい、の?』
「うん、一緒に遊ぼう。色んなものを見よう」
『…うん!!』
彼方さんの離れないようにと手を握り、再び眠りについた。
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夜桜(プロフ) - 犬坂さん» わぁぁ!!犬坂ぁぁ!ボードでお話あんましてなかったから久しぶりー!!コメント嬉しい!!!覚えてるに決まってるよ!!!おしゃべりめちゃ楽しかったもん!!!リクエストマジありがとう!!もちのろんで書かせて頂くぜ!!!! (2019年6月30日 19時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
犬坂(プロフ) - まふくん可愛いwあ、お久しぶり!犬坂だお、覚えているかい?あと。リクエストで、『夢主ちゃん迷子になってほすぃー』 (2019年6月30日 19時) (レス) id: 6b5e6236e0 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - そると。さん» 私も素晴らしいリクエスト頂けて嬉しいです!!!そると。さんに感謝しかないです!!コメントありがとうございます!! (2019年6月28日 22時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
そると。(プロフ) - こんなに早く書いていただけて嬉しいですー!楽しみにしてます!頑張ってください! (2019年6月28日 22時) (レス) id: 86f42cc0f3 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - まろまろさん» ぁ、まだ数話続きます!!ありがとうなんて、私の方こそリクエスト有難いので、マジ感謝なんですよ!!!本当にありがとうございます!! (2019年6月21日 20時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜桜 | 作成日時:2019年3月3日 17時