『そらる』俺、子供育ててます。

＊ ページ23

ー天月sideー


僕は何もしていない。
誰かにこの状況を見られたら即答で答えて逃げたい、何故かと言うと…


「ぇ、ちょ、まふ。やりすぎじゃない？」

「えー、これくらいがカッコイイですよ！」

「そ…う、なの、か…？」

「なぁ、志麻…なんかいつもより楽しそうに見えんだけど、あとなにこの服」

「そんなことないでうらさん、気の所為や気の所為」

「いや、スカート出してる時点で可笑しい」

『…地獄絵図？』

そう、目の前は服が積み重なり、何個かの山が出来ていてその隙間から見える光景は頭がおかしい。
そらるさんはアフロのカツラを被って何故かハワイアンシャツをきてハワイ風だ、うらたさんも志麻さんにやられて今ではミニスカートにスパッツ、そして何故かランドセルを背負わされている。

『…なんでこうなった』

呆然と呟いた僕の声に反応してかまともな二人組(そらるさんとうらたさん)は僕の方へとダッシュで近づき僕の背中へと隠れた。
そこに揺らりと立ち上がってやってくるまふくんと志麻さん、なんだろう…顔が妙な笑顔で怖いからなのか火の七日間みたいに見えて本当に怖い。

『いや、まふくん志麻さんstop』

「天月くんがそこをどいてくれたらね」

「そーだぞ、もっとおもし、ｺﾞﾎﾝ…カッコよくさせるからな」

「「本音が出てる」」

二人はさらに僕の袖を力を込めて握った。伸びちゃうなぁ…なんて思ったがそれよりも問題は目の前の奴らだ。
どうにか変装はさせたいけどこの二人に任せたらおかしなことになりそうな気がしてならない。駄目だ、いい事が思いつかない。

『もう、そらるさんとうらたさんにやってもらえばいいと思うよ？自分で決めた方がいいだろうしさ』

「「天月…！！」」

「えー、天月くんそっちの味方なのー？」

「…ちぇ、楽しかったのに」


『じゃあ、二人とも、服選んでみて？』

俺がそう言うと二人は着ていたものを速攻脱いで天井へスパーキングした。
……そんなに嫌だったんだね、ごめん気づくのが遅くて。と心の中で謝った。
まふくんと志麻さんは役目が終わった(強制)からか暇そうにしりとりをしていた。
ただ、
「志麻さん、暇ですね」
「ね…ねずみ」
「ぇ、あ…みみず！！」
「ズボン！！」

「「あ…」」

なんて感じで少しまふくんが可愛そうだけど…

「……終わったよ」

「俺もだ」

『はー…い…二人とも、何してるの』

「？、変装？」


『それただの変人の格好だから！！？』


……結局服は、いつもどうりになった。

＊→←ー授業参観ー

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す