『そらる』俺、子供育ててます。

子供生活52日目 ページ13

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「…いっぱい辛い思いをしても辞めなかったのはそれが一番だと思います。皆さんに歌を届けたいから、だから私を他のところに預けて集中してやるんだと思いました。私はそらるさんの子供じゃないけれど、血は繋がってないけど……そらるさんが家族だって言ってくれたことが泣きそうなくらい嬉しかった。そして、そんなふうに皆さんのことを大切に思ってるそらるさんが大好きです！！」


「……だから、どうかそらるさんの気持ちを受け取ってください。これまでも、これからもそらるさんの心を支えられるのは皆さんです。私じゃなくて、幸せを届けたい皆さんだからこそ、そらるさんが幸せだと笑える道を選んで共に進んで欲しいんです。そらるさんは皆さんの物じゃありません、誰のものでもない。……だけど、そらるさんが歌を歌って一番に届いて欲しい、心に響いて欲しいと思うのは皆さんです！！」



「＿＿＿＿＿リスナーさんを大事に思っているそらるさんのことをどうか………信じてください」


言葉が、出てこなかった。
目の前のパソコンに向かって頭を下げるAの姿が滲んでいく。頬に熱いものが溢れて止まらず零れていく。
大人になっても泣くなんて情けないかなと頭の隅っこで思ったが止めるものなんてあの言葉でぶっ壊されてしまった。


『っ………ぅ、く…ひっ、…』


「…そらるさんは優しいです、リスナーのことを第一に考える馬鹿がつくほど優しい人です。そんな所は皆さんが1番よく知っているんじゃないでしょうか？……僕はそらるさんが前にコラボのことでも悩んでいるのを見ていました。相手のこともリスナーの気持ちも一所懸命考えて、答えを出しました。それをリスナーさんがどう思ったのかは分かりません。正解かも分かりません。だけどこれまでも皆さんを騙したことはないはずです。どれほど辛くたって泣き言をリスナーにぶちまけることもあまりありません。……それは、リスナーの皆さんへ対しての気持ちの表れであり、1番重要なことなんです。」


俺がまふにしたようにまふは【大丈夫だ】と言うように力強く背中を叩いてくれた。


「そらるさんは皆さんを信じてこの話をしています。その事実だけは、理解して欲しいです！……僕達を、そらるさんを信じてください」


まふもAのようにカメラもない、画面にも映らない、誰にもわからないけどパソコンの画面に頭を下げた。
コメントが少しずつ流れ出す、俺は目を閉じた




『……リスナーの皆さん、俺は＿＿＿』

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