花嫁修業43日目 ページ7
___そらるside
『…覚悟を決めてきます』
そう言って俺とうらたくんの前から立ち去ったA、その後ろ姿が襖で遮られて見えなくなるまで俺はただ黙ってその姿を見つめていた。
_____予想はしていた。
まふがそろそろ危なくなることも
Aに言えば何としてでもまふを助けようとすることも
……彼女が自分の命を軽く見ることも
『(……それよりも、だ)』
俺が視線を動かすとそれと同時に彼の身体が少しだけ動いた。うらたくんは俺から目を逸らしたいのかただじっと下を見つめたまま動かない。
『……さて、説明してよ。嘘吐きくん』
「……なんであの人間の前でバラさなかったんすか」
『別に、気まぐれだけど』
「…嘘」
『正解、これは嘘』
「そもそも、俺は何も嘘なんてついてないですよ」
『嘘』
「チッ……そんで?何処を突っ込みたいんですかねぇ…」
『…まふの机にあったこの本、数ページだけ破られてるんだよね…心当たりは?』
「ないですn『いいから、答えて』
「……別に、坂田ら辺かもしれないのに俺に言わなくったって」
『彼奴らはうらたくんの指示がなかったらそんな馬鹿な真似はしないよ…天月達はそもそもこんなの知らないと思うし、そしたらうらたくんだけだよ』
「……はー、羨ましいこって」
背筋を伸ばした後、首を後ろへと伸ばしてまたため息をついた。観念したのか懐から茶色い色あせた紙を取り出して俺に押し付ける。
『……は?』
「ね?なーんも無いでしょ…生贄にしろとしか書いてないんですよ、コレ」
そこにはうらたくんがさっき言った解呪方法はあらず、ただ生贄を捧げるための召喚術だとか馬鹿なことがつらつらと述べられている。
『じゃあ、さっきのは…?』
「俺ん家に伝わる代々受け継いできた呪い解除法ってやつですよ」
『成功は、ちゃんと…するんだ、よね…?』
「あぁ、そこはご安心を…まふのことで嘘はつきません」
『ダウト』
「……はいはい、全てお見通しってか?…まふの呪いはあの時から解けないままですよ。多分これからも、だから人間を利用したかったそれだけです」
『Aはいい子だ、殺すことは俺が許さない』
「…了解です、そこはちゃんと守りますよ」
そう言って居間から出ていった。
俺は手元の紙に目を落とす。
「……確かに、呪いは解けないままかも……ね」
呪いの解呪方法…
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____人に恋し、愛し、そのものと縁を結び、縁を結びた者の血を飲む。
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ちょこ - 終わってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます! (2021年5月19日 19時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
あや - 始めまして!この小説すごい好きです! まふまふさん推しなので得に! 受験お疲れ様です 更新頑張ってください! (2020年4月3日 0時) (レス) id: a7aad2115f (このIDを非表示/違反報告)
胡桃きら - 推しを愛で隊(夜桜)さん» お返事ありがとうございます。受験だったのですね、お疲れ様です!そしてほんとにすみません、、何回も読み返していてこれまで占ツクで読んだの中でトップ3の中に入るぐらいだいすきな作品です!これからも応援しています、作者様のペースで更新頑張られてください。 (2020年3月29日 21時) (レス) id: 5346f0bcd8 (このIDを非表示/違反報告)
推しを愛で隊(夜桜)(プロフ) - 胡桃きらさん» 初めまして、そんな有難い言葉を頂いて本当に嬉しい限りです…!!受験も終わりましたので、更新を少しずつ再開しようと思っています。我儘なんかじゃありません!!わざわざコメントして頂けるなんて驚きましたが…w更新は再開します。絶対なのでご安心して下さい!! (2020年3月7日 14時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
推しを愛で隊(夜桜)(プロフ) - あいろさん» あ、ありがとうございます!!! (2020年3月7日 13時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜桜 | 作成日時:2019年4月9日 0時