花嫁修業49日目 ページ12
ーそらるsideー
数日、ほどだろうか
このまふの家には暦がない、体感で数えた感覚では四日だ。いや、五日たったかもしれない。記憶がない時もあった気がする。俺も時間の感覚が可笑しくなっているのだろうか…
まだ、まふ達は目を覚まさない。
_____
『…何日目だ』
目の前のまふの姿をずっと見続けたまま、何日たった?二人を眠らせてから何日立った?
その間、俺は何をしていた?ただただ二人の具合が無事なのか確認して、まふに精力を送って、Aに栄養を与えて、二人の様子を見続けて夕方になって、何も食べずに眠るだけだ。
『…。』
「…お邪魔します、……そ、らるさん」
襖から小さな声で呟いて入ってきたのは天月だった。俺が居るのに驚いたのか俺を見つめたまま固まっている。
『…久しぶり…?』
「…な、そらるさん…今までずっとそこに居たの?」
『…うん、…どうかしたの?』
「っ…」
ぱくぱくと鯉のように口を開けたり閉じたりしている、そんな天月の姿が謎で俺は首を傾げる。次の瞬間、天月に肩を勢いよく掴まれた。俺は驚いて思わず固まる。
「何日たってると思ってるのさっ!!?」
『ぇ、あ…1週間、くらい?』
「……っ」
『?、天月…?』
「今日は、あの日から…2週間と少し、経ってるんだよ」
『ぇ……ほんと?』
目の前の天月は有り得ないと言う表情で俺を見ている。俺もそんなに経っていたんだと自覚する。道理で時間の流れもわからなくなる訳だ…
「ふ、二人の体調は?」
『…まふは寝てるだけ、魔力返しみたいになっちゃってるから眠ってる。Aは怪我とか治したから安静にさせてる、と言うかわざと眠らせてる』
「…食事は?」
『あぁ、まふには精力、Aには栄養を取らせてるよ。こんなに眠るから身体が不安になるけど、安心してい「違う!!!」
「僕が言ってるのは、そらるさん自身のこと!!!」
『?、元気だよ?俺は』
「…鏡見た?」
『ぇ』
目の前の手鏡を覗いてみた俺は後ろへと仰け反った。そこに居たのは全く別人に見えたからだ、可笑しいと目を擦ってもう一度見てみてもそこに居るのは確実に俺であった。でも目の下には隈があり、倒れて寝てしまったからか頬には畳の跡があった。髪は風呂に入っていないからか乱れている。
「…そんな酷い状態で、何を言うんですか」
『あ、いや。俺は…』
「……まずは、寝てください!」
話はそれからだと言うような有無を言わさない瞳に俺は渋々頷いた。
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ちょこ - 終わってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます! (2021年5月19日 19時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
あや - 始めまして!この小説すごい好きです! まふまふさん推しなので得に! 受験お疲れ様です 更新頑張ってください! (2020年4月3日 0時) (レス) id: a7aad2115f (このIDを非表示/違反報告)
胡桃きら - 推しを愛で隊(夜桜)さん» お返事ありがとうございます。受験だったのですね、お疲れ様です!そしてほんとにすみません、、何回も読み返していてこれまで占ツクで読んだの中でトップ3の中に入るぐらいだいすきな作品です!これからも応援しています、作者様のペースで更新頑張られてください。 (2020年3月29日 21時) (レス) id: 5346f0bcd8 (このIDを非表示/違反報告)
推しを愛で隊(夜桜)(プロフ) - 胡桃きらさん» 初めまして、そんな有難い言葉を頂いて本当に嬉しい限りです…!!受験も終わりましたので、更新を少しずつ再開しようと思っています。我儘なんかじゃありません!!わざわざコメントして頂けるなんて驚きましたが…w更新は再開します。絶対なのでご安心して下さい!! (2020年3月7日 14時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
推しを愛で隊(夜桜)(プロフ) - あいろさん» あ、ありがとうございます!!! (2020年3月7日 13時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜桜 | 作成日時:2019年4月9日 0時