【wrwrd!】拝啓僕の【男主】 (ページ6)

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拝啓三話ページ6

｢やはり、"あれ(国家機密)"を狙った刺客だったようです｣

あの後、すぐに幹部達が会議室に集まり侵入した刺客についての会議が始まった。

あの刺客はデータ照合でマスター(グルッペン)が読んでいた通りエルシア王国の刺客だった。

しかも狙ってきたのは国家機密であるアンドロイドの制作方法であると分かった。

僕がもっと上手くやれば刺客を生かして拷問とかをすればもっと情報が手に入ったのかもしれないが、あの時は一刻を争う事態だったので仕方ない。

すっ、とマスターに刺客が持っていた折り畳まれた紙を渡すとそこには国家機密が丸々写された紙だった。

……本当に間一髪だったんだなぁ、とそこで実感する、いや刺客来た時点で危ないと思えよっていうツッコミは受け付けんぞ…。

tn｢お手柄やったな、ユーイのお陰で国家機密が漏れずにすんだわ、ありがとな｣

そう言ってトントン様に頭を撫でられて嬉しかった、だけどアンドロイドの僕に感情なんて組み込まれてない筈なのに嬉しかったのは何故だろう。

だけど、その事は多分いくら考えても分からないな、と思ったので考えるのはやめた。

｢…いえ、当然のことですから｣

そう言うとトントン様は｢…せやな｣と少し悲しそうにそう言って笑った。

僕はそれが不思議で聞こうとしたけど、アンドロイドと言えど流石に人の過去にずかずかと土足で入り込むのは失礼なので聞いていない。

まぁでも、いつか教えてくれる日が来ると僕は知っている。

…なんでか分からないけどね。

tn｢取り敢えず忙しいところ悪いけどロボロにはユーイの整備をしてもらって、シッマとシャオロンの隊は街の警備、ひとらんの隊とゾムの隊と大先生の隊は東の書庫室辺りの警備を頼んだわ｣

そう言ってトントン様が指令を出して、幹部様達は言われた通り警備をする為動き始め、僕もロボロ様にメンテナンスをしてもらう為にラボへと向かった。

｢…やっぱりいきなりの搭載機能の多重起動によって負荷が…｣

関節がギシギシと悲鳴をあげ、内蔵されているコア部分も熱くなってきている。

…明日までに直るだろうか…。

そう思いながらラボへと入り、僕専用に作ってもらったメンテナンス用の椅子に座ってスリープ状態にする。

ロボロ様まだかな、と足をプラプラと揺らしながら待っていると頭の中でキィンッ、という金属音のようなものが聞こえた。

その音が聞こえた瞬間、急に機能全部が強制シャットダウンされて瞼が重くなり、意識が遠のいていった。

なん、でいきな、り…。

ガシャン、という音を最後に僕は意識を落とした。