第2章 - 18話 ページ29
「いや、クラピカ。君にも、もらって欲しいんだ。そのもう片方の方を。」
「え。いいのか？」
「こっちに座って。」
私の左側に座った彼の掌中からそれを受け取る。
彼に向き合い、小さな左耳に優しく触れる。
くすぐったそうに身をよじらせるために、うまくつけることができない。
「じっとしていて。」
「う。」
目をぎゅっと瞑って耐えている間に、右手でイヤリングを固定する。
「もういいよ。」
クラピカは目をゆっくりと開けて、左耳を触る。
徐々に嬉しそうな顔になり、満面の笑みで
「お揃いだな！」
と言った。
「そうだね、よく似合ってるよ。」
「えへへ、鏡見てくる！」
彼は薄紫に染まった瞳をキラキラさせて、鏡を見るべく駆けて行った。
…しまった
彼の、今日の夕焼け色にハッとする。
…青のコンタクトではダメだ
瞳原来の色を通してしまうカラーコンタクトでは、意味がない。
私は、アニメで見たクラピカの瞳が黒だったことを思い出す。
「A！ほんとにこれ綺麗だ！
ありがとう。」
戻ってきた彼の瞳はやはり薄い紫色。
どうやら彼は気づかなかったようだ。
夕焼け色でいっぱいの部屋の中で幸せそうに立つ、赤色のイヤリングをつけた少年。
窓の外の空色を閉じ込めたような彼の目に吸い込まれる。
息を飲む。
「どういたしまして。」
…君自身も、随分と綺麗だ
私は密かに、彼の美しさに目を奪われていた。
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零落*・reira(プロフ) - カルタさん» ありがとうございます！そう言っていただけるととても励みになります…！ (2020年2月16日 15時) (
レス) id: 5e63a1d1e7 (このIDを非表示/違反報告)
カルタ(プロフ) - めっっっちゃ面白いです！合格おめでとうございます！更新楽しみにしています！ (2020年2月16日 14時) (レス) id: 132cc7b19e (このIDを非表示/違反報告)
白餡(プロフ) - パパっと読んでみましたが、描写も結構きっちりとしていて面白かったです。更新頑張ってください (2019年2月16日 23時) (レス) id: 81568ffd32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零落 | 作成日時：2019年2月14日 23時
