検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:595 hit

プロローグ ページ1

その部屋には光が灯されている筈だ。しかし、否応無く感じる薄暗さ。
 それは【魔族】という者達が住まう場である事が原因か、それとも別か。はたまた両方か。
 今はそんな些末など放棄する事を悩まずに選ぶであろう、重要な話が行われている。

 ──人の王、【勇者】アレクシス・R(リアン)・ボールドウィン。
 ──魔族の王、【魔王】アイン・シュバルツ。
 敵同士である彼らが一堂に集まる、二度は無いであろう機会──。
 扉の外で警備を行う兵達の表情に余裕は伺えない。
 それ程までに、両者の風格は尋常でない。
「……さて、先ずは応じてくれた事に感謝しよう」
「応じない理由がないだろう。……私も、これは望んでおらぬ故」
「くはッ、それもそうだな──さぁ、始めようではないか」
 【魔王】、アイン・シュバルツ。
 闇を連想させる深い黒髪に、思わず目を奪われてしまう魅惑的な紅い瞳。
 その瞳を細め、余裕さえ漂わせながらアインは小さく笑みを浮かべる。
 【勇者】、アレクシス・R(リアン)・ボールドウィン。
 角度によっては白にも見える長い銀色の髪。まるで青空の様な鮮やかな水晶。
 普段は口元に浮かぶ笑みを消し、真剣にアレクシスはそこに居る。
「……嗚呼、始めよう」
 アインの言葉に、アレクシスは静かに応ずる。
 それを視界に入れ、はっきりと笑みを浮かべて【魔王】は宣言した。

「今宵は【休戦協定】──其の前座。精々厳かに、然し堂々と往こうではないか」

 ──そして、【勇者】と【魔王】の話し合いが始まった。

設定→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
設定タグ:アカシックレコード , 戦争 , 創作   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:花音 | 作成日時:2020年6月14日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。