第３４話 ページ36
「なんで･･･お姉ちゃんは自分でカギを使ってくれなかったの･･･！」
カンナは顔を覆い隠して、泣き崩れてしまった
「あなたの存在が、お姉さんの幸せだったんじゃありませんか？」
カンナは泣いて腫らした目でミシマを見つめた
「カンナさん、アナタからは愛されている空気のような物を感じます。大切に･･･大切に育てられてきたのではないでしょうか？きっと素晴らしいお姉さんだったのでしょうね」
「あ･･･ああ･･･うぅ･･･」
カンナはまた泣き出してしまった
俺はカンナの前に屈んで笑いかけた
「カンナ。もし、君のお姉ちゃんからの声が聞こえるとしたらね。"カンナが笑えば私は幸せだし、カンナが泣けば私も悲しい。姉として、大切な妹を守らせてほしい。カンナが生きてくれることが嬉しいんだ"って、そう言ってると思うよ」
長年葬儀屋の仕事をしていると思うことがある
亡くなった人の声が、残された遺族に届いたとしたら
俺はいつもそれを考えていた
「お姉ちゃん･･･会いたいよ･･･お姉ちゃん･･･」
「さあ、自分を責めるのはおしまいです。お姉さんはきっとどこかで見守ってますよ」
ミシマはカンナの肩にぽんと手を添えた
「カンナは･･･カンナは負けません･･･！お姉ちゃんが見てるから･･･！」
亡くなった人は肉体を失うが、魂だけは残る
そう何度も聞いてきた
そして伝えてきた
その言葉が悲しみに打ちひしがれる者にどれだけの救いになるかは分からないが
その言葉に救われた人も多くいるはず
「カンナ！！」
廊下の奥からレコが駆けつけてきた
ミシマの傍らからカンナが顔を覗かせる
「レコさん･･･？」
「･･･んのヤロー！ヘンテコ教師！見つけたら大声で呼べっつったべ！？」
レコは開口一番にミシマに怒鳴り散らした
「おや、怒られてしまいました」
しょぼくれるミシマを庇うようにカンナが口を開いた
「違うのレコさん。あのね･･･説明するから、行こう？」
「･･･ん？そ、そうなのか･･･？おう･･･」
レコはカンナに引きずられるように広場に戻った
「私も探索に戻りますかねぇ」
ミシマをサラが呼び止めた
「ミシマ先生、ありがとうございました」
「私の方こそ感謝していますよ。皆さんが話に乗ってくれたので、なんとかなりました」
「カンナが俺の話を聞いてなかったらダメだったけどね」
「オレはなんも出来なかったけどな･･･」
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蓮花(プロフ) - 腐ころさん» コメントありがとうございます。名前は入力してもしなくても作品自体は読めるので気にしていなかったのですが･･･。書いた方がいいですかね、気を付けます。 (2020年2月7日 14時) (
レス) id: 7073e93aa0 (このIDを非表示/違反報告)
腐ころ(プロフ) - すみません。おこがましいのですが、名前は固定と書いた方がよろしいのではないでしょうか？ですが物語としてはとても良いので頑張って下さいね！上から目線ですみません（´･ω･｀） (2020年2月6日 21時) (レス) id: 12e607f7fa (このIDを非表示/違反報告)
蓮花(プロフ) - ツキミさん» ありがとうございます。最初書いていたときはとんでもない奴でしたね。自分でも笑いました (2019年6月5日 15時) (レス) id: 45ac89d462 (このIDを非表示/違反報告)
ツキミ(プロフ) - モカを見捨てる主人公ww笑ってしまいました……すみません……。更新頑張ってください！応援してます。 (2019年6月4日 19時) (レス) id: fe6749e978 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青薔薇 | 作成日時：2018年3月9日 14時
