第２１話 ページ23
「喉が渇いたらここにストローを突き刺し、水分を補給しろという。誘拐犯の意図があるのでしょう」
ぬっとカイが現れて呟いた
「でも、頭は意外と硬いしなぁ･･･ドリルで穴でも開けるとか？」
カイは驚いたように一瞬目を開いた
「･･･すみません。冗談を言ったつもりだったのですが」
「えっ」
「本当にすみません･･･」
この主夫侮れねぇな･･･
二階の席を探していると人形と座席の間に何かを見つけた
リボルバー式の拳銃だ
手に取ると背後にいたソウに腕をつかまれた。ひ弱だった彼とはかけ離れた力だ
「･･･それ、どうするつもり？ジン」
「は？」
ソウはどこか遠くを見つめているようにつぶやいた。俺のことをさっきまで「ジンさん」と呼んでいたのに今は呼び捨てで俺を呼んだ
「ごめん、ジンさん」
いつものニコニコとした顔に戻ると拳銃に手を伸ばした
「ねぇ、その拳銃ボクにくれない？」
俺は考えたが拳銃を自分の後ろに隠した
「渡さねぇ。お前を信頼したわけじゃねぇ。赤の他人にこんな物渡せるか」
「弾が入ってないから安心だろ？さぁ早く」
ソウはそれでも俺にじりじりと近づいてくる
二階部分のロフトがあと一歩でなくなるというところでサラが俺の持っている拳銃を奪った
「これは･･･拳銃？」
「ああ、サラさんに持っておいてもらおうよ。その方がお互い安心だから、ね？」
「そ、そうだな」
俺はサラに拳銃を手渡した
それにしてもさっきのソウの態度は何だったのだろうか
もやもやとしたものを抱えたまま俺たちは遊技場を後にした
広場からまだ向かっていなかった部屋に向かうとそこはたくさんのテーブルが並んでいた
真っ白なテーブルクロスが敷かれ、天井には豪華なシャンデリアが吊るしてあった
「ここは･･･食堂みたいだね。もしかして、誘拐犯はボクらにここで食事をしろとでも言いたいのかな」
「食事する気にはならないけど、飢え死にするよりかは幾らかマシじゃないか？」
確かに、こんな状況で食事が喉を通るとは大抵思えないが空腹で倒れることはなさそうだ。主夫もいるしね
食堂の机の上にはダーツが置いてある
手に取るとずっしりと重みが伝わってくる
「スティールティップだ。鋭いから気を付けて」
サラに渡すと丁寧に持った
隣の机にはジッポライターが置かれていた
「ライター？火をつける場所なんてあったっけ？」
一応ポケットにしまっておいた
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蓮花(プロフ) - 腐ころさん» コメントありがとうございます。名前は入力してもしなくても作品自体は読めるので気にしていなかったのですが･･･。書いた方がいいですかね、気を付けます。 (2020年2月7日 14時) (
レス) id: 7073e93aa0 (このIDを非表示/違反報告)
腐ころ(プロフ) - すみません。おこがましいのですが、名前は固定と書いた方がよろしいのではないでしょうか？ですが物語としてはとても良いので頑張って下さいね！上から目線ですみません（´･ω･｀） (2020年2月6日 21時) (レス) id: 12e607f7fa (このIDを非表示/違反報告)
蓮花(プロフ) - ツキミさん» ありがとうございます。最初書いていたときはとんでもない奴でしたね。自分でも笑いました (2019年6月5日 15時) (レス) id: 45ac89d462 (このIDを非表示/違反報告)
ツキミ(プロフ) - モカを見捨てる主人公ww笑ってしまいました……すみません……。更新頑張ってください！応援してます。 (2019年6月4日 19時) (レス) id: fe6749e978 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青薔薇 | 作成日時：2018年3月9日 14時
