え、心臓痛い。2 (ページ9)

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病室

『…涼太さん？』

「…どしたの？目元赤いじゃん。おいで？」

頭に包帯を巻いた涼太さん。

『一緒に行かなくてごめんなさい。』

ベッドの近くに行って、手を握って謝ると、

「何言ってんの、Aちゃんが怪我してたら俺、立ち直れないよ」

ぎゅっと握り返してくれて、涼太さんは、どこまでも優しい。

「涼太。」

「仕事終わったの？翔太。」

「幼なじみが襲われたってそりゃ来るだろ。」

「大丈夫なんだけどなぁ。」

「どこがだよ！」

珍しく大介先輩がつっこんで、少し空気があったかくなった。

少し話が弾んでると、

「いま深夜なんだね。」

時計を見ながら涼太さんが言った。

「父さんが別室用意してるから、そこに泊まるよ。」

亮平パパが手配してくれたらしい。

大丈夫じゃないけど、元気な涼太さんを見て、それぞれ安心して、別室に移っていく。

「行かないの？」

動かない私に気づいた大介先輩。

『いや、うん、なんか…。』

「んー、わかった！」

何かを了承して、「Aちゃんと、涼太の病室いるよ。」とみんなに声をかけた。

「ちゃんと休めよ。」

と深澤に許可をもらい、ベッドの近くに椅子を二脚持って行った。

「なんか、修学旅行みたいだね。」

「俺普通の状態じゃないけどね。」

『まだ痛む？』

「全然？気にしなくていいよ。」

気を遣わせないようにそれから、2人が話してくれて、私はいつの間にかベッドに突っ伏すように寝てた。

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阿部side

部屋を移動してからしばらく経つけど、2人が来なくて、簡易ベッドをもって、舘さんの病室に向かった。

「やっぱり。」

扉を開けると、眠ってるAと何かを話す2人。

「あ、阿部。」

「ベッド持ってきたよ。佐久間も持ってこようか？」

「俺は大丈夫だよ。」

佐久間は、妹を見るように、Aの寝顔を見てて。

俺が広げた簡易ベッドの上に、Aを抱いて寝かせてくれた。

「阿部ちゃん。」

「なに？」

「…はっきりしないと、離れてくよ。」

なんだよ、佐久間のくせに。

「じゃ、三時間睡眠が得意なのでバイバイ！」

そう言って、出て行った。意味わかんないだろ。

「阿部。」

「ん？」

「俺犯人の心当たりあるよ。」

舘さんの言葉に困惑する。

「え？」

「もう少し確証がもてたら、言うから。それまで黙ってて。」

…犯人、か。