冷えた眼 (ページ5)

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保健室

あの後、友達がいないこと、クラスの雰囲気が辛いことを話してめっちゃ泣いた。

「なーんで、いってくんないのぉ」

なぜか、大ちゃんは寂しそうな顔をしてて、相談して欲しかったんだよって阿部先輩に後で教えてもらった。

「もう、Aちゃん泣かせる奴ら、蹴散らすっ！！俺の妹のこと傷つけたやつ全員デコピンするっ！！！」

喧嘩なんかできないからデコピンなんて、大ちゃんらしくて少し笑うことができた。

まあ、だいぶ泣いたから目が腫れる前に冷やそうと2人に連れられ今保健室にいるわけだけど、

今だいぶやばい状況です。

保健室の先生はいなくて、大ちゃんと私は入り口で立ち止まって、阿部先輩はまたかとため息ついてます。

だって！部屋入ってきて、女の子の吐息とギシギシ言ってるベッドが物語ってる！！！！

阿部先輩ってすごいと思う。

「お前、またかっ！」

気にせずカーテン開けるんだもん。

「きゃっ！」という女の子の声と「阿部ちゃんだ」と焦る気もない男の子の声が聞こえる。

「ねぇー、今からだったのにっ。ねぇ、れん、」

「知らねぇよ、生徒会の身にもなれ。目安箱に保健室が大変なことになってるって毎回入ってんだよっ、」

「ごめんね、阿部ちゃんゆるして、？」

1番奥のベッドのカーテンから阿部先輩に手が伸びていって抱きつかれてる。

『だ、大ちゃん、』

「いやほんと、いつ見てもあべちゃんはすごい。」

戸惑う私と見慣れた光景なのか感心し始めた大ちゃん。

「早く服を着ろ」と言い放つ阿部先輩はこちらに戻ってくる。

「Aちゃん、ごめんね、氷水今作るから」

『あっ、すみません、』

そのやりとりを聞いて、姿を初めて見た。

チャック全開、ベルトも緩めたまんまパンツ丸見え上裸のクラスメイト。

「あっ！お前だ！！！！」

目からの刺激に驚いてると隣からもっと驚いた声。

「目黒蓮だろ！」

彼と目を大きく開けて固まっているが、一瞬で理解したのか、1秒こちらを見た後に大ちゃんを見て「そっす。」と答えた。