【ヒプマイ】マイクはきだめ集!!!

episode#1 ページ10

「会社にスマホ忘れるなんて…ホンット最悪!!」



そう言って私はほとんど照明が落ちてしまっている職場の廊下を走る。

スマホを置き忘れたオフィス付近まで行けば、そこだけ照明が付いていた。

きっとまた、観音坂さんが残業でもしてるんだろうなぁと思いながら、そっと覗き見る。

しかし、実際に見てみれば自分の予想とは違っていて…



「…へっ、王子くん!?」



サラサラのクリーム色の髪に、綺麗な青色の瞳…間違いない!!あれはこの会社のプリンス!!王子Aくん!!

でも、こんな時間にどうしたんだろう?ずっとスマホ見てるけど…

もしかして残業!?だとしたら本当にあのハゲ課長有り得ないんだけど!!
観音坂さんならともかく!王子くんにまで残業させるなんて!!

…あ、そうだ!王子くんのお仕事手伝ったら私の好感度すごく上がるんじゃない!?

王子くんはいつもいろんな人に囲まれてるから、二人っきりで話すことなんて滅多に無いんだけど…

これを機に距離を縮めればあわよくば…んふふ♪

なんて、王子くんとの妄想を思い浮かべながら、そっと彼の名前を呼びながらオフィスに入る。




「王子くん、お仕事よかったらてつだ…」


「Aっ…」


「っ!?」




私の台詞を遮り聞こえた第三者の声に咄嗟に息を潜めた。

私のことはバレてないみたいだけど…

だ、誰…?

そう思い、再びそっと覗きみた。



「Aっ…A…」

「観音坂先輩、残業終ったんですか?」

「お、終わった…だから…」



え、観音坂さん…?

何で王子くんと一緒に…

てかえ?何で名前呼び?

えちょま、ななななんで王子くんの膝に観音坂さん股がって…!!




「…観音坂先輩、重たいんですけど」


「あ、ご、ごめん…」


「先輩、もう帰りま…」


「っ…それ、やだっ…」


「やだじゃわからないでしょ、先輩?」


「ちゃんと、名前で呼べよっ…A…」


「…独歩」


「Aっ…」




ちょっとまってえ?情報量が多すぎて処理が追い付かないんだけど…!?

今私の目の前の光景は何なの?

あの二人はどんな関係なの!?

するとこのあと、今よりももっと衝撃的な行動を目にする。






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