第壱話 出会い 壱 ページ2
(⋯はぁ、今日も疲れたな。)
今日は学校が長引いて、バスに乗るのが遅れてしまった。
(あー、喉痛い。スーパーによってのど飴でも買おう。)
そう思って最寄りのバス停に着くまでひと眠りをする。
「次は 〜〜。〜〜です。」
自分の最寄りのバス停の名前が聞こえ慌てて目を覚ました。
(うわぁ、危ない危ない、寝過ごすとこだった。)
お金を払い、バスを降りて近くのスーパーへ歩いて向かった。
「⋯⋯うぅ、寒っ。のど飴のついでに、さつまいもでも買って茹でて食べようかな⋯」
甘くて美味しいさつまいもを想像して思わず頬が緩む。
「ありがとうございましたー」
優しい店員の声が響く。
買い物を終えた私は、薄暗い夜道を歩いて行った。
家に着くまで10分はある。
その10分を寒い外で過ごすのだから気がめいってしまう。
「夏はあんなに暑かったくせになんでこんなに寒いわけ?理不尽すぎるよね?」
などと小声でブツブツ言いながらあるいていると⋯
「確かに!夏はあんなに暑かったのに冬は寒い!!」
男の声がした。
「誰かいるの!?」
自分の独り言に返事が帰ってきたことにAは驚いた。
ただし周りをどれだけみまわそうと、その人を見つけることは出来なかった。
「え、ゆ、幽霊とかだったらどうしよう」
「よもや!!幽霊ではない!!妖精だ!!」
声をたどって地面を見つめてみると
蛍光色の謎生物がいた。
「ぎゃあああああああああぁぁぁ」
Aは大きな声で叫んでしまった。
「驚かせてすまない!!俺はさつまいもの妖精だ!!」
その生物は深く頭を下げてそれから顔を上げAをじーっと見つめた。
「さつまいもの妖精??」
(そんなの見たことも聞いたこともないし、アニメの世界でもそんな妖精なかなかいないと思うんだけども。)
「この世界に使命があってやってきた!!」
目の前の妖精は腕を組んでドヤ顔を決め込んでいる。
(あれ、どっかで見たことあるな、この顔。)
「その使命を全うするため、俺は今日から君の家に住む!!」
「はぁ、そうですか、って、ぇぇえ!?どうして私の家に!?」
驚いてそう返すAに対して、
「む⋯嫌だっただろうか?」
なにやら目に涙を貯めている様子の妖精。
(ずるいなぁ、これは放っておけないよ。)
「いや、別にそういう訳じゃ」
と、狼狽えてこたえると
「良かった!迎えてくれるんだな!!」
その妖精はにこりと歯を見せて笑った。
(⋯え、何この可愛さ)
煉獄さんから一言
君の手料理が食べたい!!
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棗(プロフ) - さつまいもの妖精さん…もう可愛さが滲み出てますw設定だけで既に面白臭が漂ってます〜続き頑張って下さい!わっしょいっ! (2022年3月26日 21時) (レス) id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神覇隼陽 | 作成日時:2019年11月10日 15時