71 喧嘩 ページ26
風丸side
更衣室で起きた鬼道離脱事件。
あれから、イナズマジャパンのほぼ全員が一星に警戒の目を向ける様になった。
「風丸さん。一星、練習来てないですね」
「ああ、みたいだな……でも、坂ノ上。今は次の試合の事を考えよう。」
いつ何をされるか分からない、次はまた誰かが排除されるかも知れない。
そんな恐怖からか、チームの空気には常に不安と不信感が漂っている。
この状況の中で、とりわけ今まで通り一星と接しているのが、円堂と源。
円堂は未だしも、源は寧ろ今まで以上に一星に絡んでいる様に見えた。
それも、一星本人が戸惑う程に。
『一星君、隣座るね!』
朝飯も必ず一星の近くで食べる。
『あ、一星君!それ手伝うよ』
細かいところまで観察し、気を掛ける。
これに対し、灰崎やヒロトは頻りに不満を漏らしていた。
「源……アイツ、馬鹿なのか?」
「馬鹿だろ。まだ一星を信じてるんだぜ」
確かに一星が汚い手を使って来たのは事実だが、完全な悪人には見えないのも解る。
源には何らかの考えがあるのだろうか。
練習休憩中の今も、稲森や大谷、剛陣と共に一星の様子を見に行っているらしい。
・
「さて、そろそろ練習を……ん?」
ドリンクボトルを片手に周囲を見回していた俺は、ある事に気がついた。
俺の声に、砂木沼が反応する。
「どうした、風丸」
「いや、それが」
……灰崎とヒロトは、何処だ?
「見当たら無くないか、灰崎とヒロト」
「そう言えばそうだな。何時からいなかった?」
俺は記憶を思い起こす。
確か、源達が一星を見に出る前には既にいなかった様な。
灰崎とヒロトの二人組……
「まずいな、あの二人」
「今頃、一星の所に行っているならば喧嘩沙汰だろ……」
どうしたものか、と迷っていたその時。
「円堂くーん!円堂君はいない?円堂君!」
練習用のグラウンドに、大谷が駆け込んで来た。
「大谷?」
ゴール前で練習をしていた円堂を見つけた大谷は、助けを求めている理由を説明する。
「大変なんです!一星君と不良二人組が……!」
「何!?」
不良二人組、すなわち灰崎とヒロト。
まさか、本当に喧嘩になっていたとは……
「円堂君、こっち!」
「皆、すまない。練習を続けていてくれ!」
円堂はそう言い残してから、大谷と共に練習場を出て行った。
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きっしー - とっても面白いです。タツヤが見た怖い夢が実際にあったことで笑いました!(ノ´∀`*) (2021年11月15日 7時) (レス) @page2 id: 81b38530d7 (このIDを非表示/違反報告)
花鈴萌(プロフ) - 風月鏡花(仮)ふるる。さん» ふるるさん!いつも優しくして下さって本当に有り難うございます!!部活も小説も頑張ります(* ´ ▽ ` *)ふるるさんも部活に受験勉強に、そして占いツクール、頑張って下さい!応援してます!! (2020年9月15日 20時) (レス) id: 804840d57a (このIDを非表示/違反報告)
風月鏡花(仮)ふるる。(プロフ) - お久しぶりですっ!花鈴萌さんが戻って?来てくれてマジ嬉しいです!(σ≧▽≦)σこれからも更新頑張ってね!部活も! (2020年9月15日 19時) (レス) id: 28f80b2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
花鈴萌(プロフ) - アリスさん» ありがとうございます……! (2020年9月11日 18時) (レス) id: 804840d57a (このIDを非表示/違反報告)
アリス - ずっと読ませていただきます♪更新頑張って下さい(^o^)/ (2020年9月11日 17時) (レス) id: c80579e6b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花鈴萌 | 作成日時:2020年4月28日 1時